高度が上がれば魔法が消える? 東京ディズニーリゾートと高度60mの壁

学び
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日本に住んでいるけど日本のことを質問されると自信を持って答えられないことってありますよね。
4月27日に発売された『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』(吹浦忠正・著)では、「日本の最東端はどこ?」「日本で唯一、砂漠があるのはどこ?」など、答えられそうで答えられない日本と東京の知識を50問のクイズ形式で紹介しています。
ここでは、本書の中から特別にその一部をご紹介します。(全6回)

Q.国会議事堂と東京ディズニーランドのシンデレラ城、どっちが高い?

①国会議事堂
②シンデレラ城
③どちらも同じ高さ

国会議事堂中央塔の高さは65.45mで、シンデレラ城は51m。同じ東京ディズニーランドにあるプロメテウス火山も高さ51mだが、シンデレラ城と同じ高さだとはあまり知られていないかもしれない。ちなみに2001年開園の東京ディズニーシーにあるタワー・オブ・テラーは59mである。

なぜ60mにしなかったのか。高さが60mを超える建造物は一般には超高層建築と呼ばれ、構造計算で国土交通大臣の審査を通過しないといけないからだ。

高い建物は地震や風の影響を強く受ける。そのため丈夫で、かつ揺れのエネルギーを分散させる構造を備えていなければならない。さらにビル自体が起こす風や作る日陰が、周辺環境に影響を与えるため、その対策も必要だ。60mを超えるか超えないかで、建築費用が大きく変わってしまうのだ。

ただ、夢の国に60m超えの建造物がない最大の理由は、「航空障害灯」にあるのかもしれない。夜間飛行の飛行機やヘリコプターに、超高層建築の存在を教える赤いランプは、少し昔の街並みをモチーフにしたテーマパークにはそぐわない。

ディズニーパークではゴミ箱の配置から、商品や食材を運び込むルートにいたるまで綿密に設計され、「夢」から醒めさせかねないものは入場者の視界に入れないようにされている。だからこそ入場者は日常を忘れ、ディズニーの魔法に酔いしれることができるのだ。

A.…… ①

* * *

本書『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』では、他にも、社会で意外と役に立つ、日本と東京の「なるほど!」な知識を50問のクイズ形式で紹介しています。
吹浦忠正・著『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』(太田出版刊)は全国の書店・各通販サイトで発売中です。また、電子書籍版も各配信サイトにて配信中。新生活や行楽シーズンのおともに、日本と東京をもっと知りたいという人におススメの一冊となっています。

筆者について

ふきうら・ただまさ 1941年秋田市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了後、大森実国際問題研究所主任研究員、その後、国際赤十字海外駐在代表として、東パキスタン(現バングラデシュ)やベトナムに駐在。歴代首相のご意見番と言われた末次一郎に師事。難民を助ける会副会長(現・特別顧問)、埼玉県立大学教授(政治学)、東京都生涯学習審議会委員などを経て、現在、社会福祉法人さぽうと21会長、NPO法人ユーラシア21研究所理事長、NPO法人国旗・国歌研究協会共同代表、内閣府オリ・パラ・ホストタウン国旗講座講師、法務省難民審査参与員、パシフィック・フィルハーモニア東京理事など。1964年のオリンピック東京大会組織委員会をはじめ、札幌、長野、東京2020の各オリンピックでは、国旗や儀典に関わる。2018年度からの「道徳」教科書(日文教)で「東京オリンピック 国旗にこめられた思い」の主人公として登場中。214週にわたり週刊新潮で「オリンピック・トリビア」を連載。著作は70冊以上、テレビ出演多数。

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