水道が「当たり前」ではなくなる日が来るって本当!? 日本の水道のこれからを考える

学び
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2016年、家庭向け電力の小売自由化に伴い、電力会社を比較することも一般的になってきました。もし、水道も同じように民間で運営することになったらどうなるのでしょう?
4月27日に発売された『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』(吹浦忠正・著)では、「日本の最東端はどこ?」「日本で唯一、砂漠があるのはどこ?」など、答えられそうで答えられない日本と東京の知識を50問のクイズ形式で紹介しています。
ここでは、本書の中から特別にその一部をご紹介します。(全6回)

Q.東京都の水道、その最大の水源は?

①多摩川水系
②利根川・荒川水系
③相模川水系

東京都が保有する水の量は、1日あたり680万平方メートル。その80%を利根川・荒川水系、17%を多摩川水系、残り3%は神奈川県・川崎市との三者協定により相模川水系から分けてもらっている。

日本の水道水は低料金で、かつ広範囲の地域で上下水道が整備されていることから、長らく「水と安全はタダ」と言われてきた。蛇口をひねって水を飲む、それが当たり前にできる地域は、世界でもそれほど多くはなかったからだ。

しかし、いつまでも「タダ」であるかどうかはわからない。海外では、水道事業が民間企業によって運営されたり、事業が売却されることも少なくない。南アフリカのドルフィンコースト一帯では水道事業の民営化により、値上がりした水道料金を払えない人たちが川や池の水を飲んだため、約25万人がコレラに感染するという事態に陥った。

日本でも2021年12月に、宮城県が上下水道と工業用水の運営権を、民間企業10社の出資により結成された事業者に売却する契約を結んでいる。業務の一部の委託や、小規模自治体での運営委託はこれまでもあったものの、都道府県が事業運営権を一括で売却したのは国内初だった。

人口減少や税収の低下に悩む自治体にとって、水道事業の維持は大きな負担となっている。しかし水道水は、市民の生命に直結するインフラでもある。水道事業民営化を懸念する声は大きい。

A.…… ②

* * *

本書『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』では、他にも、社会で意外と役に立つ、日本と東京の「なるほど!」な知識を50問のクイズ形式で紹介しています。
吹浦忠正・著『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』(太田出版刊)は全国の書店・各通販サイトで発売中です。また、電子書籍版も各配信サイトにて配信中。新生活や行楽シーズンのおともに、日本と東京をもっと知りたいという人におススメの一冊となっています。

筆者について

ふきうら・ただまさ 1941年秋田市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了後、大森実国際問題研究所主任研究員、その後、国際赤十字海外駐在代表として、東パキスタン(現バングラデシュ)やベトナムに駐在。歴代首相のご意見番と言われた末次一郎に師事。難民を助ける会副会長(現・特別顧問)、埼玉県立大学教授(政治学)、東京都生涯学習審議会委員などを経て、現在、社会福祉法人さぽうと21会長、NPO法人ユーラシア21研究所理事長、NPO法人国旗・国歌研究協会共同代表、内閣府オリ・パラ・ホストタウン国旗講座講師、法務省難民審査参与員、パシフィック・フィルハーモニア東京理事など。1964年のオリンピック東京大会組織委員会をはじめ、札幌、長野、東京2020の各オリンピックでは、国旗や儀典に関わる。2018年度からの「道徳」教科書(日文教)で「東京オリンピック 国旗にこめられた思い」の主人公として登場中。214週にわたり週刊新潮で「オリンピック・トリビア」を連載。著作は70冊以上、テレビ出演多数。

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