子役として数々の作品に出演してきた美山加恋が、声優にも活躍の場を広げている。小学校に入るか入らないかのうちから子役として活躍し、女優としてすでに十数年のキャリアを持つ彼女。当初は何を目標にこの世界に入ったのか? 2019年12月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.147で、美山はこう語っている。
「当時は憧れの女優さんがいたわけでも、お芝居に興味があったわけでもなかったんです。たまたま、芸能事務所に入ったら役をいただけるようになって。なので、生活の一部というか、習い事に近い感覚だったかもしれません。ただ、現場で一緒に過ごすまわりの大人たちが“技の職人”だと気づいてからは、憧れを持ちました」
美山は、その後もドラマや映画で次々と印象的な役を担当。着実に女優としてステップアップを図っていたが、声優という仕事があるのを知ったのは、デビューから2~3年が経った頃だったという。
「7~8歳のとき、劇場版『NARUTO』の1作目『大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!』に出演したのがはじめての声優体験でした。主演のみなさんとは舞台挨拶でお会いしたとき『うわ、なんでナルトの声が隣から聴こえるんだろう』と衝撃を受けて。劇場で観たときも、絵に合わせて自分の声が出ていることに驚きました」
そして、劇場アニメ『ももへの手紙』(2012年)で主役をやり、本格的に声優を始めるようになった美山。声優をやるようになったことで、女優業にはどんなフィードバックがあったのか?
「声優をはじめる直前、『芝居ってなんだ?』って悩んだ時期があったんです。実写でのお芝居では、役を自分に寄せるやり方をしていたのですが、それはどこまで自分の経験を役に活かせるかとイコールだったので、どんどん自分が削れていって、追い込まれて。でも声優は、もうすでに役が完成されていて、そこに自分が合わせていく。それもお芝居なんだと気づいてからは視野が広がりました」
今ではかなりの数のアニメを見ているという美山は、最近では『ワンパンマン』がお気に入りで、「今の目標は、アニラジを持つこと」だとか。女優としても一流の彼女だが、2つの世界を両立させることで、さらに大きな存在へと羽ばたきそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.147(2019年12月26日発売/太田出版)
【関連リンク】
・クイックジャパン147-太田出版
【関連記事】
・大橋彩香×田所あずさ 2人は「ライバルでも味方でもあって」
・マクロス新歌姫・鈴木みのり 目標は「声優界を代表できるような存在」
・小倉唯 「声優としてのお仕事があってこその自分だと思っています」
・マルチに活躍する花澤香菜 「自分は声優以外のなにものでもない」