清田隆之(桃山商事)による『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』が、12月24日(火)より発売。上野千鶴子、信田さよ子が推薦し、帯にコメントを寄せています!
ひとりの青年が、とまどい、ゆらぎ、つまずきながら、夫になり、父になる成長物語。その率直さに胸を衝かれる。男性が本書から学ぶことは多いだろう。——上野千鶴子
このひとの書くものはブレない。それはたぶん、自分の立ち位置と付与された力を厳しすぎるくらいに点検することを忘れないからだ。——信田さよ子
フェミニズムから受け取った重たい宿題。これからの〈俺たち〉へ
著者は桃山商事代表の清田隆之。ジェンダー、恋愛、人間関係、カルチャーなどをテーマに様々な媒体で執筆する。そのなかでも著書『さよなら、俺たち』は、男らしさや男性性にまつわる当事者研究として各メディアで話題となった。新刊『戻れないけど、生きるのだ』では、引き続き男性とフェミニズム、そしてジェンダーの先にある人間の生き方や幸福を探求する、最新のジェンダー・エッセイ集。
冒頭のコラム「戻れないけど、生きるのだ」では、本書に込めた思いを綴っています。以下抜粋。
人生の価値は、人生の豊かさは、どれだけ何かに心を揺さぶられたかでおそらく決まる。ジェンダーとは生き方や在り方に直結する問題で、私たちの言動や感受性のOS(オペレーション・システム)として機能しているものだ。そこに変化を加えようとすれば、当然ながらいろんなところがギリギリ軋む。そのストレスや不快感はバカにならず、反動的なエネルギーが生じたって不思議ではない。だからこそ思う。俺たちは頭で考えてるだけでは変われない。そのためには何かに圧倒され、言葉を失い、放心状態になるような体験を重ねることが重要で、内省も責任も、ケアも覚悟も、抵抗も希望も、きっとそういう時間から生まれるはずだ。もちろん本やドラマだけじゃない。恋愛にも、子育てにも、仕事にも、旅にも、生活にも、友達とのお茶にも、そんな感動は宿っている。「昔のほうがよかった」「ずいぶん息苦しい時代になった」「あの頃に帰りたい」って気持ちは誰の中にもあると思うけど、進んでしまった時間を、変化してしまったものを、元に戻すことはもうできない。それでも毎日は続くし、何かに心を震わせながら生きていくことは全然できる。さよならした時間に戻ることはできないけれど、男らしさの危機が叫ばれるこの時代を、俺たちはこれからも生きるのだ。
ふだん、生きづらさやストレスを感じるその原因は、ジェンダーバイアスによるものかもしれない。親子やパートナーと一緒に読むのもおすすめの1冊です。最新のジェンダーについて学べるエッセイ集『戻れないけど、生きるのだ』は、2025年12月24日(火)より順次発売。詳細目次は太田出版ウェブサイトをチェックしよう。
刊行記念イベントも開催!
◆「新春!ジェンダー事件簿2025を占う〜報道や炎上から考える男社会のこと〜」
会場:梅田Lateral/オンライン・アーカイブ配信あり
大阪府大阪市北区堂山町10-11 H&Iビル 2F
日時:2025年2月15日(火)18時~
登壇:清田隆之(桃山商事)、小川たまか
※詳しくは梅田Lateralウェブサイトをご確認ください。
◆「サブカルと男らしさ、ロスジェネと死〜」
会場:蟹ブックス
杉並区高円寺南2丁目48−11 堀萬ビル 201
日時:2025年2月7日(金) 20:15~
登壇:清田隆之(桃山商事)×前田隆弘×おぐらりゅうじ
※詳細・参加方法はPeatixをご確認ください