現在、シリーズ第3弾『時効警察はじめました』が放送中の時効警察シリーズは、時効管理課に所属する霧山修一朗(オダギリジョー)が、時効が成立した未解決事件を“趣味で”捜査する物語。霧山は時効事件の捜査になると俄然、手腕を発揮し、天才的な観察力で謎に挑みます。これまでの物語では、
・ウソをつくと髪が広がる
・ウソをつくとメガネが曇る
・語尾に「はい」をつける
・隠しごとがあると、酸性の汗をかいて、十円玉がキラキラになる
・ウソをつくと体温が上がって、上空との温度差から積乱雲が発生して、集中豪雨が起きる
・図星をつかれると、相手を威嚇するために手を広げたりして自分を大きく見せようとする
など、数々の「霧山流・ウソ発見チェックリスト」が紹介されてきましたが、相手のウソを見抜く方法など存在するのでしょうか?
元・検事である若狭勝氏の著書『嘘の見抜き方』(新潮新書)によると、ちょっとした体の動きに注目することが、相手の嘘を見破ることにつながります。例えば、検事が被疑者と向かい合って取り調べを行う時、相手の足のつま先の向きを確認します。正面ではなく違う方向に向いていると、自分の正面にいる相手、つまり検事に警戒心や恐怖心を抱いていることに。後ろめたいことを隠している可能性が浮上します。
また、コップの飲み物を無意識にかき混ぜるのは、ストレスが溜まっている証拠。精神的な負荷を別の形で和らげようとする「代償行動」と呼ばれる行為です。一方で常習的に嘘をつく人は、視線を一切そらさない傾向にある。これは「嘘の見抜き方を知っている」からこその行動で、詐欺師など嘘が得意な人に見られる特徴です。
「あの人、嘘ついてるなァ」と霧山が呟く時も、必ず根拠があります。「嘘をつくと体温が上がって、上空との温度差から積乱雲が発生して、集中豪雨が起きる」「嘘をつくと体温が上がってメガネが曇る」……さすがに「ホントかよ?!」とツッコミを入れたくなりますが、中には若狭氏の挙げる嘘の見破り方と並べても遜色ない方法も。1期第2話に登場する「自分の発言を本当のことだと思い込みたい心理から、語尾に『はい』をつけるようになる」というのは、思わず納得してしまう見抜き方の一つです。
もちろん、これらの嘘発見ポイントをうまく活用するには、相手とのファーストコンタクトから気を抜かず、細かいところまで観察し続ける集中力と洞察力が必要となります。霧山にその力が備わっているからこそ、「嘘発見ポイント」がトリックを見破るための重要なヒントとなり、彼を事件解決の道へと誘うのです。
ちなみに三日月の「女の人は嘘をつく時に相手の目を見るが、男の人は嘘をつく時にキョロキョロしてる」(1期第5話)という見抜き方。若狭氏の言説と照らし合わせると「女性の方が嘘をつくのがうまい」ということになるのでは。「時効警察」に登場する事件の犯人に女性が多いことからも、あながち間違ってはいなそうです。
◆ケトルVOL.50(2019年10月16日発売)
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