乃木坂46の“妹グループ”として2015年8月に結成された欅坂46が、グループ結成からわずか1年半で紅白歌合戦に出場するという快挙を達成した。欅坂46は、これまで数々のアイドルグループを成功に導いてきた秋元康がプロデュースするグループだが、やはり自身が出かけたグループが紅白に出るのは、何度経験しても嬉しいものなのだろうか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.129で、秋元はこのように語っている。
「紅白に出させていただけることはありがたいですし、彼女たちが一生懸命頑張った結果だと思うのですが、喜びという意味では僕自身はあまりないですね。例えばどんな賞をいただいても、プロデュースしているグループがどんなに大きなことになっても、それって全部、結果じゃないですか。結果に関しては、それほど思い入れはないんです。それよりもやはり、実際に楽曲を作っているときのほうが、喜びは大きいんですよね」
欅坂46のデビューシングル『サイレントマジョリティ』は、女性アーティストのデビューシングル初週売り上げ歴代1位という記録を作ったが、それに関しても、「曲ができたときのほうが喜びは大きい」と語る秋元。その『サイレントマジョリティ』は、ミュージックビデオやCDジャケットで、“アイドルなのに笑わない”という逆張りの一手が話題になったが、これにはどんな意図があったのだろう?
「アイドルは笑うものである、アイドルのデビュー曲は明るいものである、じゃあ逆をやろうという発想ではないんですよ。僕がよく『予定調和を壊す』と言っているのは、『アイドルだからこうしなきゃいけない』という予定調和を狙って壊すという意味ではなくて、そもそも『これをやっちゃいけない』ということを一切作らないという意味なんですよね。
『サイレントマジョリティ』を作ったときも、とにかく彼女たちが歌って生き生きとするもの、この楽曲を通して彼女たちが発しようとしているメッセージ性を押し出せるものを作ったら、笑わないという選択になった。その結果、『反逆のアイドル』としてみなさんの目に写るようになった。はじめから狙っていたわけじゃないんです」
「(欅坂46は)楽曲から引き込まれたという人が非常に多い」と語る秋元は「一番大事なところは、どんな楽曲で世の中に出ていくか」「楽曲作りが一番の肝」と、繰り返しており、『サイレントマジョリティ』『世界には愛しかない』『2人セゾン』に続く“神曲”が今後も期待できそうだ。
『クイック・ジャパン』vol.129(2016年12月21日発売/太田出版)
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