久米宏 新人時代にラジオ中継の突撃取材で見せた鉄の心臓ぶり

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TBSラジオと言えば、16年連続で首都圏の聴取率1位を取り続けているラジオ界のトップランナー。マイクの前に居並ぶのは人気パーソナリティばかりのTBSラジオですが、その土台を築いたのは、過去に数々の挑戦があったからです。

その1つが、1970年代から80年代にTBSラジオの大型番組として放送されていた『土曜ワイドラジオTokyo』。数々の逸話を残した同番組ですが、初代パーソナリティの永六輔さん時代にアシスタントを務めていたアナウンサーの遠藤泰子さんが「強烈に印象に残っている」と振り返るのは、新人アナ時代の久米宏さんが、自衛隊の市ヶ谷駐屯地に突撃取材したときのエピソードです。

当時の市ヶ谷駐屯地では、銃を持った自衛隊員が警備担当をしていました。そこで久米さんは隠しマイクを仕込み、「それには弾が入っているのですか?」と直接聞きに行ったのです。しかも何度もしつこく聞くから、リスナーのほうがヒヤヒヤしてきます。結局、いくら聞いても答えてもらえなかったので、最後には「記念にサインしてください」とノートを差し出し、鉄の心臓ぶりを見せつけました。

その後、久米さんは「土曜ワイド」の3代目パーソナリティとなり、今度はリスナーから寄せられた疑問を解決するため、スタジオから生電話で関係各所へ徹底的に取材するようになりました。久米さんと言えば、大型ニュース番組『ニュースステーション』(テレビ朝日系)の司会として、報道番組に新風を吹き込みましたが、新人時代から“現場主義”を貫く姿勢は際立っていたようです。

◆ケトル VOL.39(2017年10月16日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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