数多くの有名な辞書を出版する三省堂。そんな同社を代表する小型国語辞典といえば、『新明解国語辞典』と『三省堂国語辞典』(以下、『三国』)です。『三国』の特徴は、なんといっても生きた言葉。自ら「生きのよい国語辞典」と宣言しているように、改訂のたびに積極的に新しい言葉を取り入れています。
最新の第七版では、「LCC」「育メン」「ノマド」といった時事用語のほか、「恋バナ」「ニーハイ」「パンダ目」といった新語や俗語、そした「キター!」「w」などのネット発の言葉まで追加されました。
ちなみに「キター!」は、「期待していたものが登場した。ほしかったものが手にはいった」といった意味であり、「w」は、「[インターネットで](あざ)笑うことをあらわす文字」と解説。普段から何気なく使っている言葉ですが、こうして説明されてみると、「なるほど!」とハラオチする人も多いのではないでしょうか。
国語辞典は言葉の“正しい意味”を紹介すると思っている人は多いはず。それは間違ってはいないのですが、言葉は日々変化するものでもあります。変化の過程もちゃんと収めることも辞書の役割ではないか、と『三国』は考えています。それゆえ新語に強いのと同様に、実際に使われている言葉遣いであれば、「ら抜き言葉」だって収録するのです。
最新の第七版では、新語を多数追加しただけでなく、「銀ぶら」の民間語源にまつわる新説(銀座でブラジルコーヒーを飲むことを指すというのは間違いで、銀座をぶらぶら歩くのが正しい)と、言葉にまつわる発見があふれる改訂を行ないました。言葉を調べるだけならネットでも用が足りてしまいますが、『三国』は、読み物としての面白さも備えているようです。
◆ケトル VOL.23(2015年2月14日発売)
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