「BTTF Part1」の行き先が1955年だった深い理由

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今も世界中で愛されている映画『BACK TO THE FUTURE』(以下『BTTF』)が公開されて今年で30年。「Part2」で向かった“未来”の日付「2015年10月21日」も、もうすぐやって来ます。Part3まで作られた『BTTF』ですが、音楽面でも様々な小ネタが散りばめられており、時代背景を行き来すると、作品をより楽しむことができます。

まず、Part1で主人公のマーティが映画『理由なき反抗』を彷彿させる1955年に辿りつくと、BGMとして流れるのは当時ヒットチャートを賑わせていた「ミスター・サンドマン」。第二次世界大戦が終わり、アメリカ的ファミリー像が確立したこの時代を象徴する曲で、ロック前夜のポップソングというのが肝。そう、55年はエルヴィス・プレスリーが「ハートブレイク・ホテル」を披露する1年前なのです。

Part1の最後ではマーティがチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」を披露し、それを見た人物が電話越しでベリーに同曲を聴かせる場面がありますが、ロバート・ゼメキス監督によれば、「これをやりたかったから55年にした」とのこと。またこの時マーティは、60年代に登場したジミ・ヘンドリックスや70年代に登場したエディ・ヴァン・ヘイレンの奏法を披露しています。

このライブシーンでマーティが参加するバンドの名前は、マーヴィン・ベリー・アンド・ザ・スタースライダーズ。負傷したギタリストのマーヴィン・ベリーの代わりに演奏することになったマーティですが、このとき借りたギターはギブソンのES 345TDで、1955年時点では発売されていません。同ギターが発売されたのは1959年で、このギターは「ジョニー・B・グッド」の作者であるチャック・ベリーの愛用ギターでした。

◆ケトル VOL.24(2015年4月15日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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