昨年、日本中で話題になったのが、ラグビーW杯で活躍した五郎丸歩選手の「ルーティン」。彼はメンタルコーチの協力を得て、ルーティンを作り上げたそうですが、数々の難事件を解決してきたシャーロック・ホームズも、五郎丸ポーズそっくりのルーティンを持っていました。
ホームズといえば、思い浮かぶのは「パイプ」。ホームズが愛用するパイプは3種類あり、気分によって3種類のパイプを使い分けていました。思索に耽るときにくわえる古い陶製パイプは相談相手のようなもの。議論を交わしたい気分のときは長い桜材のパイプを用い、もう1つ、ブライアー製のパイプも持っています。ちなみに刻みたばこはペルシャ製のスリッパの中にいつも入れていて、ホームズはパイプで三服する時間はおよそ50分でした。
難解な謎にぶつかると、ホームズは何日間も物を食べようとしません。その理由は空腹時のほうが頭が冴えるから。「消化のために血液を費やせば、それだけ頭脳のほうがお留守になるわけだからね。僕は頭脳そのものだ」と断言。下宿先の夫人が心配のあまり、「お食事はいつになさいます?」と尋ねても、「あさっての7時半に」と答えました。
そしてホームズが考え事をするときに決まってとるのが、「両手の指先を三角形に突きあわせて考える」というもの。お気に入りの肘掛け椅子に深く腰をおろして、しきりに手をこすり合わせてから体勢をとります。依頼人の話をじっくりと味わう場合は、相手を観察してからまぶたを伏せた後に。ひとりで思索に耽る場合は、このポーズに加え、両足を前に投げ出して、まっすぐ天井を見つめます。
◆ケトル VOL.29(2016年2月12日発売)
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