“声優”といえば、かつては表舞台に立つことはまれな存在だったが、今やキャラクターではなく声優自身が注目を集める時代。ライブを行ったり、グッズが販売されたりする声優も少なくない。花澤香菜も、声優の仕事のほか、実写映画に主演し、日本武道館でライブを行うなど、幅広く活躍する声優のひとりだが、“本業”の声優という仕事についてどう考えているのだろう? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.125で、彼女はこう語っている。
「声優のお仕事は、昔よりも、よりマルチになっている感じはします。でもだからこそ『声優にしかできないことってなんだろう』って、考えちゃいますね。声だけでどれだけいろんなことを表現できるか……あるいは、表現しないでも伝わるような、そういう絶妙なところを伝えられたらいいんじゃいかなって」
「専門職だよなあ、と思います」「精神力も、試されたりします」と、声優という仕事の大変さを説明する花澤。声優以外の仕事に臨む時は、どのようなスタンスなのか?
「どんなものが来てもとりあえず飛び込んでやってみよう、って。『できない』ということは、悔しいですから。演技は自分の経験したものしか出せないから、自分の幅をどんどん広げていっておかないといけないんですよね。歌にしても、自分でなんでも決めているというよりは、みんなが喜んでくれるものをやっている感じが強いと思います」
もはや声優という枠に留まらない存在の花澤だが、彼女はこういった状況を「人からハードルを設定されるほうが、たぶん向いている」「いろんな人がチャンスをくれるから、結果としていろんなことをやらせていただけている」と、捉えているのだそう。
「どんな仕事をしていても、そのすべてで『声優の仕事に返ってくる』と思えることを探しているんです。最後に自分が帰るのは声優の仕事、自分は声優以外のなにものでもない、と思っています」
と、“声優への愛”を語っている。
◆『クイック・ジャパン』vol.125(2016年4月22日発売/太田出版)
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