魔法少女作品を読み解くルール 話の鍵を握るのはいつも転校生?

カルチャー
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今年は、日本初の少女向けアニメ『魔法使いサリー』の放送開始から50年。今では完全にひとつのジャンルとして確立された“魔法少女モノ”ですが、数多くの作品で見られるキーワードのひとつが「転校生」です。

元祖・魔法少女のサリーちゃんは、転校生・夢野サリーとして人間界の小学校へ通います。最初は少し挙動不審なサリーちゃんに、すみれちゃんやよしこちゃんは戸惑いつつも、3人は大親友に。結果、サリーちゃんの魔法の力によって、彼女たちは普通の人間では経験できないオモシロ体験を重ねます。

そして、主役のみならずその仲間も転校生率は高し! たとえば『おジャ魔女どれみ』に出てくる妹尾あいこは、もともとは大阪からやってきた転校生。最初はそのストレートな物言いに腹を立てるどれみでしたが、彼女の家庭の事情を知ることで友情が深まり、ついには同じ魔女見習いとして仲良くなります。

また『カードキャプターさくら』に登場するのが、香港からやってきた転校生・小狼。彼は魔術師・クロウの遠戚として、最初はさくらに敵対心を持っていましたが、次第に彼女に心を許し、最終的には恋人同士にまで発展します。

人間は自分とは違うコミュニティから来た人に違和感を抱く生き物ですが、思い切って話しかけてみると、実はいい人だった……というケースは少なくありません。大人になると新しい刺激に鈍感になりがちですが、転校生や新入社員など突然目の前に現れた人と仲良くなってみることで、新たな世界が開けるかも?

◆ケトル VOL.32(2016年8月12日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。