童謡でおなじみの動物・アイアイ 陽気な歌の主人公の悲しい現実

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10月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「動物園」をピックアップ。「読むだけで楽しめる大人のための動物園ガイド」と題し、全国の動物園にまつわる様々な情報や、そこで暮らす動物の生態などを紹介しています。今回は、童謡「アイアイ」で知られるアイアイについて紹介します。

アイアイと言えば、日本では相田裕美作詞・宇野誠一郎作曲の童謡『アイアイ』に出てくる動物として、子どもたちには大人気。軽快なリズムの『アイアイ』は、大人たちも口ずさめるものと思います。しかしその姿が分かる、浮かぶという方は珍しいのでは? みなさんはどんな動物をイメージするでしょうか。

「おさるさんだよ~。南の島の~」と歌詞にもあるので、陽気な島の陽の当たる森の中で、元気に木と木の間を飛び跳ねているところを想像するかもしれません。しかし本当のアイアイは夜行性。昼間は寝ていて基本的に動くことはありません。日没後、アイアイはひっそりと動き出します。

上野動物園にいるアイアイは、昨年12月に生まれたオスの「マフィー」と母親の「ティーア」の親子を含めた9頭が飼育されています。親子が飼育されている場所も真っ暗闇。なんとなくイメージと違うかもしれません。実際に見ると、暗闇の中でアイアイが動く姿が見られるのですが、急に動いたりすると、背中がひやっとします。

このギャップが見どころと言えば見どころなのですが、実際、アイアイの生息地であるアフリカのマダガスカル島では、アイアイは“悪魔の使い”と呼ばれ、不吉な動物と考えられています。なんでも出会ったら、捕まえて埋めてしまわなければ、自分が不幸になるという言い伝えがあると言われています。このせいで、マダガスカル島では多くのアイアイが殺されてしまっており、森林破壊とともに生息数が減る原因となっているのだそうです。

◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。