the pillows山中さわお 死も考えた活動休止直前を振り返る

スポンサーリンク

1年間の活動休止を経たthe pillowsが、9月に35枚目のシングル『ハッピー・バースデー』をリリースした。90年代から活動を続け、アメリカでは日本以上の人気を獲得している彼ら。2009年には武道館公演も実現させたthe pillowsだったが、彼らに果たして何が起こったのか? ボーカル兼ギターの山中さわおは、10月12日発売の『クイック・ジャパン』vol.110で、当時の状況をこう振り返っている。

「前のアルバムを作っていたときには、追い詰められていた。たしかに、昔みたいな不満はないし敵もいない。the pillowsは世の中に優しくされていると思う。だけどバンドはよくない方向に向かってた。甘えや雑さがあって……自分の中の『理想のthe pillows』から遠ざかって行っている感覚があった」

悪い流れを断ち切るため、2012年6月から、1年間バンドを休止させた彼ら。「自分でも『休むわけない』って思ってたバンドが、休まないといけない状態になったんだよ」と語る山中だが、その状況は、かなり深刻だったようだ。

「活動休止する前には、本当に心が疲れていて……いろんなことに気が済んだし、退屈だし、もう死んだ方がいいんじゃないか、なんてことまで考えていてさ。そんな俺より追い詰められて、自殺未遂を繰り返す人の気持ちを考えなから歌詞を考えたんだけど……」

<思い出したんだ 生きて来たこと 何千回も目を覚ましたんだね 僕ら>という『ハッピー・バースデー』の歌詞について、そのように語る山中。シングル曲はバンド休止前からできていて、「元はソロでやろうと思ってた」そうだが、「活動再開したらすぐ結成24周年のタイミングで、ソロで『ハッピー・バースデー』ないだろうと(笑)」という理由で、バンドとして出すことになったそうだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.110(2013年10月12日発売/太田出版)

【関連リンク】
『クイック・ジャパン』vol.110

【関連記事】
在日ファンク浜野謙太 日本社会のリア充叩きを憂う
ダンスで世界を旅するEXILEのUSA 盆踊りの習得にも興味
『進撃の巨人』主題歌制作のRevo 「中二病だ」の指摘に「それは褒め言葉」
韓国インディーズシーンの雄 兵役がバンド活動に与える影響を語る

※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。