『クイック・ジャパン』は毎年、人気放送作家を招いて座談会を開き、前年度のテレビについて振り返っている。今回の座談会で放送作家陣が「パーソン・オブ・ザ・イヤー2013」に選んだのが、社会現象にまでなった『あまちゃん』の脚本家・宮藤官九郎。ふなっしー、フットボールアワー・後藤輝基、有吉弘行らの名前があがるなか、
「今年(2013年)の象徴」
「オッサンたちを朝8時に起こした男」
という声があがり、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた宮藤だが、本人にとって2013年はどんな年だったのだろう? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.112で、宮藤はこう語っている。
「『あまちゃん』の作業は2012年からスタートして、2013年にもこぼれたくらいの感覚です。ただ、周囲の反応が騒がしくなったのは放送が始まった2013年からなので、『いろいろ思われたんだろうなー』という感じの1年ですね。間違いなく『あまちゃん』を観て興味をもったであろう年配のお客さんが舞台の客席にいて、『今まで知られていなかった層に知られてきてるんだなー』と思うこともありました」
『あまちゃん』の成功については、「たまたまなので、これをこの先期待されないようにしないと(笑)」「『あまちゃん』と比較すると、この先苦しくなっていくので、考えないようにしています」と、あくまでも謙虚な姿勢を崩さない宮藤。しかし、あれだけ話題になった作品ゆえ、嬉しい場面もあったようだ。
「去年は『あまちゃん』を『観てるよ』『面白い』って言われることが多かった。自分と同じ世代が早起きしてテレビを観てることが嬉しかったですし、それ以上に、自分たちの世代が年とったんだなって実感しました。これをきっかけに、今まで観てなかった人たちが朝ドラを観るようになるのかなって」
そんなきっかけを作った宮藤だが、あれだけ高く評価された『あまちゃん』において、一番嬉しかった“ご褒美”は、「『(第16回)みうらじゅん大賞』に選ばれたこと」だそうで、「みうらさんが、タモリさんと俺を選んでくれて嬉しかったです」という宮藤。さらに、「『紅白(歌合戦)』もそうかな。あんなハレの舞台に、自分が関わったドラマのキャストが集合することなんてないですし、あんなに劇中歌があるドラマもないですよね」と語っている。
◆『クイック・ジャパン』vol.112(2014年2月12日発売/太田出版)
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