泣いて笑える寿司エンターテイメント映画『荻原郁三、六十三才』 7月公開

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7月5日(土)より、東京・六本木の「六本木シネマート」にて、明日にでも潰れそうな寿司屋に起きる様々な騒動を描いた映画『荻原郁三、六十三才』が公開される。

昭和から寿司を握りつづけること40年。荻原郁三は頑固で、腕もよく、気風もよい本物の職人だが、彼の店はシャッター商店街にあり、いつ潰れてもおかしくない状況だ。そんなある日のこと、荻原は外資系の大型回転すしチェーンから誘いの電話を受ける。

誘いを受けた63才の心は大きく揺れ、一旦は断ったものの、1日だけ外資系寿司屋の本店でカウンターに立つことを受け入れた荻原。しかし、そこで大失態を演じ、職人のプライドも失った荻原に救いの手を差し伸べたのは、意外にも口をきくこともなかった娘だった。すべてを失ったはずの63歳の父と、希望のなかった27才の娘の、寿司屋復活に向けた、なりふり構わぬ挑戦が始まる。消えていくことが宿命だった寿司屋に、奇跡は起こるのか……。

60代で映画初主演となる主演の五王四郎は、40年におよぶキャリアはすべて脇役か悪役か切られ役だという舞台出身の俳優。演技しているのか地なのかは不明だが、五王演じる寿司職人の喜怒哀楽は見事の一言で、彼の人生と相まった味のある演技が心を奪う。

脚本・監督は、五王とは20年来の友人で、広告会社のクリエィティブディレクターの長谷部守彦。今作が初監督作品となる長谷部は、出演者として、外資系社長・木山を演じ、製作・撮影・編集を兼任している。人生にちょっと迷った大人が元気になる寿司エンターテイメント。見終わった後には、寿司屋に行きたくなること必至の、泣けて笑える作品に仕上がっている。

『荻原郁三、六十三才』は、7月5日より六本木シネマート(港区六本木3-8-15 東京メトロ「六本木駅」徒歩2分)にて単館公開。(文中敬称略)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。