箱根駅伝を初めて放送したテレビ東京 中継権を手放した理由

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大正9年(1920年)から続く箱根駅伝は、今やお正月の一大イベント。日本テレビは往路と復路を完全中継し、毎年20%台後半の視聴率を稼ぐお化けコンテンツとなっていますが、実は箱根駅伝を初めて放送したのが、「東京12チャンネル」時代のテレビ東京だったのは、知る人ぞ知る事実です。

テレビ放送第1回の1979年1月3日「第55回東京・箱根間往復大学駅伝競走」は、第9区までは録画で、ゴール目前の10区は生中継で放送されました。当時、テレビ中継は放送技術の中でも最高難度の技術だったものの、合理的な作戦で見事お正月のお茶の間に駅伝を届けたのです。

しかし、この後テレビ東京は1982年の第66回大会まで中継を行ないましたが、第67回大会からは、現在も中継を続ける日本テレビにチャンネルが移ります。これは、もともと読売新聞が主催だったため、その系列局である日本テレビに放映権が移ったという事情のようです。

仮に、全国に放送網を持たないテレ東が今も箱根駅伝の中継権を握っていたら、“箱根”はここまで大きなイベントにならなかった可能性はあります。しかしテレ東(東京12チャンネル)は、いまや国民的行事となったサッカー・ワールドカップのテレビ中継も初めて行なっており(1970年のメキシコ大会)、将来を見通す類まれなる先見性は、高く評価されて良さそうです。

◆ケトル VOL.22(2014年12月12日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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