かつては圧倒的に男性が多かったヘヴィメタル界だが、EVANESCENCEの大成功以来、ボーカルに女性を据えたバンドが急激に勢力を伸ばしつつある。今年1月18日にメジャーデビュー後初のアルバム『genesis』を発表したLIGHT BRINGERもそうしたバンドの1つ。ボーカルのFukiに、新アルバムについて聞いてみた。
「メジャーだからとか、特別な気負いはなかったです。いま自分たちにできる音楽を全力でチャレンジするという、インディーズで出した2枚のアルバムのときと、アプローチは変わりません。でも前のアルバムから1年半も経っているし、メジャーの舞台に移ってもファンのみんなの期待を裏切れないという強い気持ちはメンバー全員にあって」
そうした思いを持って作り上げられた新アルバムは、ヘヴィメタルの律を踏まえつつ、歌謡曲っぽさが漂う音に仕上がっている。そのことについてFukiはこう語る。
「日本のメタル音楽はメロディーに哀愁を帯びてるんですよね。私がバンドをやろうと決めた原点は、中学のときに出会ったX JAPAN。ヴィジュアルはもちろん、曲の哀愁感とか、歌詞のペースが日本語で書かれている所とか、LIGHT BRINGERに取り入れてる部分は多いです。あとチャゲ&飛鳥さんと広瀬香美さんも大好き。アルバムに収録した『風』の歌詞は、かなりチャゲアスの香りがします(笑)」
そして、「天才的」「最高すぎる」「一歩でも近づきたい」と、”飛鳥涼の歌詞のすごさ”をまくし立てたFuki。LIGHT BRINGERは、「基本はメタルで、メタルバンドと呼ばれることに抵抗はない」そうだが、彼女自身は「贅沢なバリエーションのオカズ=曲が楽しめる『幕の内ロックバンド』という表現が一番しっくりきます」と述べている。
◆『クイック・ジャパン』vol.100(2月14日発売/太田出版)
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