3月に発売された「片想い」のアナログ7インチシングル『踊る理由』は、各地で売切が続出しているという。”片想い”とは、ファンク、シティ・ポップ、ヒップ・ホップなど、あらゆる要素を含んだ音楽性を持つ8人編成のバンド名。若いわけでもなく、明らかにミュージシャンっぽくないメンバーもいるこのバンドは、一体何者なのか? 結成メンバーの1人であるMC.sirafuはこう語る。
「僕は宮下あきらの『魁!!男塾』とかすごく好きなんです。あのマンガでは脇役にこそ個性があったように、バンドでも全員が主役でいいという考えなんです。ミュージシャンと、バンド経験もない人たちが同じ立場で音楽を演奏して、しかもお客さんを喜ばせることが出来たら、すごく痛快だなと。片想いにあえて理想があるとするなら、そこだと思います」
練習では笑いが絶えず、「本番ではその面白さの何割も出せてない」という声がメンバー内からあがる片想い。客席とステージの境目がないような、一体感と多幸感にあふれたライブを展開する彼らは、「僕ら、敷居が低く見えるのか、『(片想いに)入れてくんない?』とかよく言われるんですよ(笑)」(片岡シン)という悩みも抱えているそうだが、新曲『踊る理由』は、どんな曲なのか?
「『踊る理由』って、スリー・コードの曲なんですよ。スリー・コードでも笑いをいれたりすることで、こんなに音楽としての展開を出せるんです。ここでダンスを踊るパートがほしいとか、ここで誰が歌ったらおもしろいかとか、僕らはそういう方法論で曲を作っていく。そこが他のバンドとはまったく違うかな」
レパートリーはまだまだ60曲以上あるという片想い。先の読めないMCやギャグを交えたライブを、一度体験してみてはいかが?
◆『クイック・ジャパン』vol.101(4月12日発売/太田出版)
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