ここ数年で飛躍的に知名度を上げ、今や全国レベルで愛される調味料になったのが”ゆず胡椒”。そのゆず胡椒が、今度は世界に羽ばたこうとしているのをご存知だろうか? 特集のテーマとして「調味料」をピックアップした6月15日発売の雑誌『ケトル』が、ゆず胡椒の明るい未来に迫る!
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大分県の老舗「川津食品」がゆず胡椒を製品化したのは、約50年前のこと。当時は業務筋への出荷が多かったそうだが、1970年代にはすでにゆず胡椒が明太子の漬け込み材料として使われ始め、地場産業の発展を支えていた。転機が訪れたのは2006年のこと。財団法人食品産業センターが年に1度東京で主催する見本市に川津食品が参加し、自然食品店から注目が集まった。
ゆず胡椒の知名度が上がるにつれて、川津食品のお膝元である大分県内のゆずや唐辛子の生産者や、地元の農協などが注目し始め、九州各地でゆず胡椒作りが盛んになった。例えば、日本初の産直市場ともいわれ、年間の売り上げが17億円を超える「木の花ガルテン」(大分県日田市ほか)にゆず胡椒を納品している地元の農家や農協の食品加工場は40以上にものぼる。
そして、そんなゆず胡椒が、世界に進出する大きな足がかりを得ている。福岡県のJA筑前あさくらが製造するゆず胡椒「柚子サンバル」が、イスラム教の戒律に沿った商品に与えられる「ハラル認証」を取得。経済規模が200兆円ともいわれるイスラム圏を足がかりに、ゆず胡椒が世界進出する日も近いのだ。
なお、ゆず胡椒を保存する際には、まず一度に使う分だけラップで包んで空気を遮断し、さらにアルミホイルで光を断ち、密閉できる袋に入れるとGOOD! 冷凍すればさらに長く保存できるが、冷蔵庫での保存をすすめるメーカーもある。ポイントはとにかく光と熱を避けることだ。
◆ケトル VOL.07(6月15日発売/太田出版)
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