6月15日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとしてマヨネーズ、ゆず胡椒、ゴマ油、ラー油など、「調味料」をピックアップ。工場の潜入リポートや、美味しい食べ方、思わず「へ~」と唸るような豆知識など、調味料に関するありとあらゆる情報を紹介している。今回取り上げる調味料はゴマ油。香り豊かで体にも良いゴマ油の歴史と秘密に迫る!
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炒め物、揚げ物の油として使うのはもちろん、料理の仕上げに少し加えるだけで、香ばしい香りを料理に与えてくれるゴマ油。原料となるゴマは、人類が利用した油糧植物(油脂を多く含み、植物油の原料となる植物)のうちでは最古という説が有力で、紀元前3000年以前にナイル川流域で栽培されていたことが記録に残っている。
日本がゴマ油と出会ったのは奈良時代。仏教の伝来とともにゴマとその搾油法も伝わったといわれているが、当時、ゴマは非常に貴重なもので、その恩恵に与ったのは貴族のみだったとか。食用としてはもちろんのこと、灯油の代わりの燃料としても人類の生活を支えてきたゴマ油は、かのクレオパトラも肌のパックに使っていたという説もあり、体や肌の調子を整える作用も持ち合わせている。
ゴマ油の主成分はオレイン酸とリノール酸。オレイン酸には、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを下げる働きが、リノール酸には、人間の体内で作ることができない必須脂肪酸が含まれており、さらに、体内を酸化させ、老化や生活習慣病の原因となる活性炭素を取り除く「ゴマリグナン」も含まれている。
ちなみに、愛知県蒲郡市の老舗ゴマ油・竹本油脂の「太脂胡麻油」(450g)を1本作るのに必要なゴマの数は、何と40万粒! ゴマ油は、冷蔵庫で保存する必要はないが、熱や光に弱いため、外に出しっぱなしにせずキッチンの戸棚の中などに入れておくとよいそうだ。
◆ケトル VOL.07(6月15日発売/太田出版)
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