村上春樹の小説に4回も登場した世界的名作のタイトルは?

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8月10日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「村上春樹」をピックアップ。村上作品に登場する東京スポット・食べ物・酒、登場人物の名台詞など、村上春樹にまつわるありとあらゆる情報を紹介している。今回取り上げるのは、”作中に登場する本”について。村上春樹の小説には、たくさんの本がメタファーとして登場するが、もっとも登場回数が多かった1冊は何か?

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村上春樹が「人生で最も影響を受けた3冊のうちの1冊」と語っているのが、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。粗野で好色きわまりない父親のフョードル・カラマーゾフとミーチャ、イワン、アリョーシャの3兄弟が妖艶な美女をめぐって葛藤を繰り広げる、ロシア文学不朽の名作だ。

村上春樹の小説の中では、『風の歌を聴け』で鼠が『カラマーゾフの兄弟』を下敷きにしたコミック・バンドの小説を書き、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』では「計算士」の「私」が「兄弟の名前をぜんぶ言える人間がいったい世間に何人いるだろう」と名前を思い出し、このほか『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』にも同作は登場。合計4作品に『カラマーゾフの兄弟』は登場する。

これ以外に複数の作品に登場する本は、『戦争と平和』(トルストイ)、『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル)、『失われた時を求めて』(マルセル・プルースト)、『審判』(カフカ)、『三四郎』(夏目漱石)など。中でも『戦争と平和』は、10代の頃の春樹少年が3回も読み返した本なのだそうだ。

◆ケトル VOL.08(8月10日発売/太田出版)

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ケトル VOL.08

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。