1993年に放送がスタートしたダウンタウンの看板番組『ダウンタウンDX』(読売テレビ)が、今年放送20周年を迎えた。番組が始まった頃は、まだダウンタウンが、これからゴールデンの“顔”になろうしていた時期。数度の大幅リニューアルを経て現在に至るこの番組の黎明期について、演出・チーフプロデューサーの西田二郎はこう語っている。
「その頃ダウンタウンは同世代の芸人と共演することが多くて、目上の芸能人との接点がほぼなかったんですよ。だから芸能界全体にご挨拶していくような形をとってみようと。ただスタッフは全員が大阪で深夜番組中心に作っていた人間ですし、10時台の明るい感じが分からなかった。今考えると、10時台の見せ方ではなかった気がしますね。『尖ったままがええんちゃうか。でも分かりやすくせなあかんのちゃうか』が1年は続いていたような」
番組開始時は大物ゲストを1人呼ぶスタイルで、一番初めにゲストとして登場した菅原文太の場合、賭場のセットを作って、ちゃんと芝居をしてもらい、その後に、血まみれの格好でトークをしていた『DX』。その後、複数のゲストを呼ぶスタイルにたどり着いた『DX』だが、番組の常連ゲスト・中尾彬に関しては、こんなエピソードがあるそうだ。
「中尾さんはバラエティの印象はほとんどなくて、存在感のあるバイプレイヤーとして気になってたんですよ。結局、市原悦子さんがゲストの回に出てもらったらめっちゃ面白くて、それがきっかけで後の『DX』に出てもらうようになった。中尾さんと江守徹さんをくっつけたらケンカがいけるで、と見つけたのも『DX』。僕のイメージとして、「『DX』に出てる時が一番面白く感じる人っていますよ」(武野一起チーフプロデューサー)
このほかにも武野は、「面白く感じる人」として的場浩司や東幹久の名を挙げており、スタッフは常に「この人オモロそうやな」という嗅覚を働かせているそうだ。
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