東京・清澄白河の小山登美夫ギャラリーで、ポップアート作家・奈良美智(よしとも)の展覧会が開かれている。
奈良美智は、少女や動物のドローイングなどにより世界中から注目される、日本の現代美術を代表する1人。今回は信楽にあるアーティスト・レジデンスでの滞在を中心に、2007年より制作が続いていた陶器作品の初の展覧会になる。今までもFRP(繊維強化プラスチック)や木彫の立体は作られていたが、足掛け三年になる陶器への挑戦を世に放つ。
展示されている少女たちの像は、それぞれの質感とともに全く別の個性をまとっている。地中海の神殿で眠る異教の神のような、アユタヤの遺跡から掘り出された仏頭のような、幼子の墓を守る天使の像のような、場違いな宝石のような…同じ空間の中に立つとその存在感に驚きを覚える。階下のフロアではコケシ状のフォルムのセラミックに奈良が塗装を施した大小の像がならび、呟きのような言葉やリズム感ある無表情に全く違う親しみを感じ取れるだろう。
『奈良美智展:セラミック・ワークス』は、小山登美夫ギャラリー(江東区清澄1-3-2)7F、6Fにて、5月15日(土)~ 6月19日(土)まで。スケールとテクスチャーの経験こそ価値を持つ展示なので、ぜひギャラリーで圧倒されていただきたい。
【関連リンク】
・Tomio Koyama Gallery
http://www.tomiokoyamagallery.com/
・奈良美智のツイッター
http://twitter.com/michinara3
※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。