民族学者・梅棹忠夫の特別展『ウメサオタダオ展』が、大阪・千里の国立民族学博物館で10日から始まった。
梅棹忠夫(1920~2010)は京都市生まれ、京都大学卒業の民族学者。京大カラコルム・ヒンズークシ探検隊に参加し、『モゴール族探検記』(56年)を発表した彼は、その後も東南アジア、東アフリカ、ヨーロッパなどで精力的にフィールド・ワークを行った。『文明の生態史観』(57年)では、西欧文明と日本文明は、ほぼ同じあゆみで進化したという「平行進化説」を打ち出した彼は「日本の文化人類学のパイオニア」とも呼ばれ、91年に文化功労者、94年に文化勲章、99年に勲一等瑞宝章を受章している。
同展は、国立民族学博物館の創設に尽力し、74年から93年まで同館の初代館長を務めた梅棹の足跡をたどる特別展。大ベストセラー『知的生産の技術』(69年)ができるまでのカード、こざね(メモの連なり)、直筆原稿をはじめ、氏の愛用品、スケッチ、フィールドノートなどが展示されており、「知の探検家」と呼ばれた彼の思想の先見性や実効力を改めて確認することができる。
『ウメサオタダオ展』は、国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園10-1)にて、3月10日(木)~6月14日(火)まで開催。開場は10:00~17:00、休館日は水曜(5月4日は開館)、入場料は一般420円、高校・大学生250円、小・中学生110円となっている。
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