つんく♂「K-POPはしっかり訓練されてるから勝負できない」

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1997年のモーニング娘。結成以来、J-POPシーンを牽引し続けてきたつんく♂。プロデューサーとしてシーンを見つめつつ、シャ乱Qとしても成功を収めた経験を持つ彼は、昨今のK-POPブームをどのように見ているのだろう? 
「僕が高校生ぐらいの時も、海外から輸入されて来るような洋楽がありましたよね」「海外勢が普通にポップスとして入ってくること自体は別におかしくない」と語るつんく♂は、K-POPについてこう語る。

「K-POPは洋物っぽい、いわゆる洋楽らしさがありつつ、でもポップスの感性で言うと非常に日本に近いものを作っている。メロディーもしっかりしてて歌いやすいんですよね」
「どんどんコンピュータで音楽を作るようになってきたから、もう質感の違いがほとんどない。むしろK-POPのほうがリーズナブルに音が仕上がるという状況なんですね。そして、もともと持っているリズムの感覚が日本人よりも鋭いんですよ」

つんく♂は、「『ボクだったらもっとこうするな』というアーティストをいっぱい集めてK-POPに負けないような音楽を作りたい」と夢を語るが、「そういうアーティストは1人ずつで勝負したがる」と日本の音楽シーンの特徴を解説。そして「K-POPはそこらへんを割り切って、エース級が1つのチームになる」と、K-POPの特徴を分析した上で、

「それができるのは、やっぱり高校生とか専門学校のころから訓練されているからですね。ある程度、国策としてK-POPをちゃんと世界に売り出すぞ、ビジネスするぞ、っていう指針があるからね。日本はあんまりそういうのがない。芸能界と、いわゆるアーティストたちと、その他の人たちが何となくグチャッとなってやってるんですよね。だからしっかり訓練されているところとは、なかなか勝負ができないですよね」

と、K-POPの優位性を認めている。

◆『クイック・ジャパン』vol.98(10月12日発売/太田出版)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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