記念館開設を夢見るみうらじゅん「内容はともかく陳列物には困らない」

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かつて作家といえば、万年筆を片手に原稿用紙と向かい合い、「原稿用紙をグチャグチャに丸めて、後ろに放り投げる」というようなイメージがあったものだが、最近ではパソコンやワープロで原稿を書く作家が主流になってしまった。

しかしそんな時代に、いまだ”手書き”にこだわっているのが、漫画やイラスト、エッセイなど幅広い活動を続けているみうらじゅんさん。「オレが知る限り、いまだに手書き原稿で編集者を困らせているのは泉麻人、大槻ケンジ、みうらじゅんの3人ぐらい」と語るみうらさんに、「手書きにこだわる理由」を聞いてみた。

「いや、もうここまできたら、半分意地だよ!? 別に『作家は手書きじゃなきゃ!』みたいな大層なこだわりがあるわけじゃないんだ。でもね、俺にとって、文章って『レイアウト込みのもの』という意識が強くて。例えば、原稿用紙に文章を書くときも、改行はこのくらいで、余白はこのへんで、字切りもこの辺で・・・とか考えながら書いてるわけ」

もともと小学1年生ぐらいから怪獣や仏像をスクラップし、”一人出版社”をしていたというみうらさん。それゆえ、自分の手を離れて活字になった原稿は読まないそうだ。

そして、これまで書きためた膨大な量の原稿は全てストックしてあるというみうらさん。そんな彼には、ひそかな野望があるそうで・・・、

「松本清張記念館に行ったとき、原稿用紙がぐわっと山積みになってて、すごくグっときたね。やっぱ手書きの重みってあるじゃない。あれ見た瞬間、『俺もマネしたい!!』って思ったんだ(笑)。俺、昔から文豪に憧れてたから。もし、俺が記念館をやるなら、内容はともかく、陳列物にだけは困らない自信あるよ!」

ちなみにみうらさん愛用のペンは、漫画を描くときはゼブラペン1本、文章を書くときは「筆圧が強いから」ということで、0.7mmのシャープペンと決めているそうだ。

◆ケトル VOL.03(10月15日発売/太田出版)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。