今年の夏、高知県の四万十市で最高気温41.0度を記録し、注目を浴びたのは記憶に新しいところですが、世界に目を向ければ、今からおよそ100年前に世界最高気温56.7度を記録したのが、アメリカ・カリフォルニア州のデス・バレー。まさに「死の谷」という名前を持つデスバレー国立公園は、今年一躍「目玉焼き」の聖地となりました。
そのきっかけは、現地の公園職員が暑さをアピールするため、Facebookページに「デスバレー式目玉焼き」の動画を投稿したこと。動画には、地面の上に置いたフライパンにたまごを割り入れてフタをして、暑さだけで見事に目玉焼きを焼く様子が収められていましたが、それをきっかけに、現地ではちょっとした問題が発生しました。
というのも、その動画の公開以降、現地ではその実験を試みる人が相次いだものの、多くの人が地面に直接たまごを割り落としたため、デスバレーは、ひからびたたまごと殻が散乱する有り様に。困り果てたデスバレーの観光協会は、Facebookで「『地面に直接』はやめて下さい。ゴミは持ち帰りましょう」と呼びかける羽目になったのです。
そもそもたまごの凝固温度は黄身が約65度、白身が約75度。デスバレーでは地表の温度が100度近くに達する箇所もあるとはいえ、それだけでは目玉焼きは焼けません。正式な作り方は、「気温53度以上の道路にフライパンを2時間放置して予熱。そこにたまごを割り入れると、6分後に目玉焼きが完成。フライパンにフタをするのがコツ」なのだとか。“熱のこもった状況”を作るのがポイントで、“石に直接”や“ボンネットの上”では、目玉焼きは焼けないそうです。
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