各地で駅弁大会が催されるようになり、自宅にいながらにして各地の駅弁を食べられるようになりましたが、やはり駅弁好きなら一度は現地で食べてみたいはず。日本全国には、その土地の名産物を取り入れたもの、歴史が長いもの、容器に凝ったものなど、おもしろ駅弁が多数存在します。
百貨店主催の駅弁大会で常にトップクラスの人気を誇るのは、JR函館本線・森駅のキヨスクで販売している「いかめし」です。弁当箱にはイカがまるごと2ハイもイン! スルメイカの銅にお米を詰めて、甘辛味のダシで炊き上げており、夏場は不定期ながら、ホームでの手売りも行われています。
列車の中でゲットできてしまう駅弁といえば、JR五能線の「ハタハタ館の晩酌セット」です。快速「リゾートしらかみ」があきた白神駅に着くと積み込まれ、予約していたお客さんに配られるこのお弁当は、名前通りの飲兵衛仕様。ハタハタの焼きものなど、秋田県ならではのツマミと地酒のワンカップがセットになっていて、駅に降りずとも名産マリアージュが楽しめる一品です。
JR信越本線・横川駅の名物「峠の釜めし」は、山里の食材をたっぷり使った炊き込みご飯ですが、それが益子焼の土釜に入っているというのも温かいサプライズ。しかも土釜を持ち帰れば、そのままご飯(ジャスト1合)が炊ける優れものになっています。駅弁を製造する「おぎのや」のHPでは、釜で美味しく炊くコツまで紹介していますから、お客さんへの想いもアツアツです。
一方、斬新な再利用法を提案するのは、JR東海道本線・草津駅で出会える「お鉢弁当」です。包装の新聞紙をめくると、なんと器が信楽焼の植木鉢(底にはちゃんと穴が!)。ラディッシュの種がおまけで付いていて、お弁当を食べたあとは、ラディッシュを育てられるという仕掛けになっており、まさに”1つで2度美味しい”とはこのことを言うようです。
◆ケトル VOL.20(2014年8月11日発売)
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