今年5月、東京国際フォーラムで上演された舞台『ASTERISK(アスタリスク)』は、兄と妹の再会を描いた物語を国内外で活躍するダンサー127名で表現し、大きな話題となった。その中心を担ったのが、ダンスカンパニー「DAZZLE」。現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.114で、DAZZLEのメンバーは、舞台についてこう語っている。
長谷川達也 「ダンサーがメインとなる舞台の可能性を提示したくてASTERISKを創りました。最近では音楽番組やCM、義務教育導入などダンスの認知度は高まっていますが、バックダンスや添え物という存在ではない、ダンスがメインの舞台作品を観たことがある人は、あまりいないと思います」
振付師やバックダンサー、インストラクターなど、活躍の場はあるが、DAZZLEが目指すものは別にある。彼らはすでに結成19年目だが、その練習量は生半可な量ではない。
飯塚浩一郎 「僕らは365日のうち250日くらい夜中に練習しています。ほぼ一緒に生活している状態で、日本では一番の練習量かもしれません。人間同士の繋がりがDAZZLEをひとつの生き物のように結びつかせていて、作品上でも他にはないDAZZLEらしさを生み出していると思います」
そんな彼らは今月下旬、坂東玉三郎が芸術監督を務める公演で、佐渡の太鼓芸能集団・鼓動と共演し、来年3月には坂東の演出によるDAZZLE公演が決定している。こうしたコラボレーションについて、長谷川は、
「玉三郎さんは最初の稽古のとき、ストリートダンスの持つ一人称的な表現をあっという間に見抜かれて、それを理解した上で僕らに足りないものを提示してくれました。今までの表現方法とは異なるアプローチが新鮮で感性の幅が拡がっていくのを感じます。僕らにとっては本当に革命的な出会いです」
と語っており、彼らが追求するストリートダンスの可能性は、まだまだ大きく拡がりそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.114(2014年6月12日発売/太田出版)
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