2009年に「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった『黒子のバスケ』は、2012年にTVアニメ化も実現。マンガ、アニメとも大ヒット作となっている。同作は、存在感がなく影が薄いバスケプレイヤー・黒子テツヤが主人公の物語だが、そんな黒子を演じて人気を集める声優・小野賢章は、作品をどんな風に見ているのだろう? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.119で、小野はこのように語っている。
「僕はいろいろなことにタイミングが悪いようで、以前はよく『黒子みたいだ』って言われてました。たとえばアフレコのとき、お手洗いに行っている間に休憩時間が終わってしまって、僕がいないことを気づかれずに収録が始まっちゃうとか(笑)。そういうところが似ているのかなって。タイミングが悪いことは自覚しているんですけどね」
「『影が薄い』ことは、バスケでは良くても役者の場合は武器にならないので困ります」と、主人公と似ていることに少々困った様子の小野。しかし「黒子テツヤ」というキャラクターに大きな魅力を感じているのは間違いないようだ。
「普段物静かで、存在感が薄くて気づかれないっていう設定もあり、一見おとなしめなキャラクターに見えるけれども、芯にあるものは誰よりも強い。静かな中にも、しっかりと伝えたいことは伝える意志の強さがあるのが黒子の魅力だと思います」
作中で好きなキャラクターは「木吉鉄平先輩」、印象に残る試合には「ウインターカップ準決勝の誠凛高校対海常高校戦」を挙げた小野。すでに「黒バス」とは3年の付き合いになったが、彼にとって「黒バス」とは、どんな作品なのだろう?
「ターニングポイントのひとつですね。僕自身にとっては、この作品がきっかけでいろいろな仕事に参加させてもらえるようになりましたし、役者として、ものすごく鍛えていただいた場でもあります。一言のセリフをとても丁寧に収録しているので、日常シーンだろうと試合シーンだろうと現場では一瞬たりとも気を抜けないんですよ」
そんな厳しい現場だが、「まだまだ作品に長く携わりたいのが本心ですし、今後も集中を切らさずに頑張っていきたい」と、やる気は十分の小野。現場は女性が少ないため、「基本、収録現場は男子バスケ部って感じ」なのだそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.119(2015年4月10日発売/太田出版)
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