“アラーキー”こと荒木経惟の大判の最新写真集『男 アラーキーの裸ノ顔』が3月に発売された。同作は月刊誌『ダ・ヴィンチ』で連載された17年分のポートレイトをまとめたものだが、この作品の魅力はどこにあるのだろう? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.120で、荒木はこのように語っている。
「男の魅力ってのはさ、色気とか殺気とか、“気”が大事なんだよ。それを見抜いて、それを引っ張り出してあげてるっていうところだよね。だからこれは、本人たちの表現なんだよ。作者は本人なんだよ。俺はさ、相手の鏡になってるわけ。今の若いやつらは、被写体を使って自分を表現しようと思っちゃうだろう? だから面白くないんだよ、写真が」
同作は、ジャイアント馬場、町田康、五代目中村勘九郎、平井堅、水木しげる、堺雅人、菊地成孔、伊勢谷友介、長嶋有など、被写体は男ばかり。「男が男を写した写真集」というのもある意味珍しいが、荒木は彼らにどんな魅力を感じたのだろう?
「みんなちょっと少年性が残ってるだろ? 無意識に大人になんかなりたくないっていうかさ、大人なんてケッていう“不良少年”の部分があるんだよ。男の一番の魅力は、まあそれぞれの解釈はあるけど、俺は不良性が一番だと思う。女は結局、不良に惹かれるだろ。男に好かれる男だって、そうだろう? だからこの本は(北野)武から始まって、武で終わってるんだよ」
「どんな男でもね、あるんだよ、魅力が」と、“男”の良さを語る荒木。5月には75歳の誕生日を迎えたが、今年中には、北京、ニューヨーク、パリ、青山での展覧会が予定されており、
「俺も今、この本を見てね、これからだぞって。終わりじゃなくてここからスタートだなって、自分で自分の写真に煽られたよね」
と、まだまだ歩みを止める気はまったくないようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.120(2015年6月12日発売/太田出版)
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