海岸を散策していて、動いている貝を見かけたことはないだろうか。そして、その貝を拾ってみると「中にヤドカリが入っていた!」という経験をしたことがある人もいるはずだ。
最近、そんな海岸をうろうろするヤドカリが増えているという。その理由はヤドカリの「住宅難」。ヤドカリは、生涯を通じて宿を探し続ける引越しの達人だが、彼らの住環境は満たされているとはいえない。
貝殻の不足により、ペットボトルのキャップ、台所洗剤のキャップ、歯磨き粉のキャップなどをつけたヤドカリも各地で目撃されているのだ。
そんなヤドカリ達に快適な住まいを届けようと、リクルートの「SUUMO」と海洋生物の専門家・東京海洋大学増殖生態学研究室が共同で取り組んだプロジェクトが注目されている。
同プロジェクトチームは、ヤドカリの中でも陸上生活をする“オカヤドカリ”にとって住み心地の良い住まいを探求。新しい住まいの形状は、通常の貝殻より室内を広くすることで内部の快適さを強化した。また、動きやすさを重視し軽量化を実現。最終的に貝殻形状ではなく「繭型形状」にたどり着いたという。
そのプロジェクトの様子は、ヤドカリ引越しプロジェクト動画「Shell We Move?」で見ることができる。
今回、生物界の「住宅難」という課題解決に「SUUMO」という住宅・不動産の専門家が挑んだわけだが、このような取り組みは今後もいろいろな分野で期待したいものだ。
【関連リンク】
・プロジェクト動画「Shell We Move?」
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