昨年の夏にファーストアルバムをリリースし、注目度急上昇中のロックバンド・Suchmosは、メンバー全員が神奈川県育ちで、ボーカルのYONCEは今も茅ヶ崎市に住んでいる。都心でのイベントともなれば、茅ヶ崎からは軽く1時間以上はかかるが、彼はなぜ茅ヶ崎住まいを続けているのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.124で、YONCEはこのように語っている。
「うーん……(都内に)移り住んでもよかったんですけどね、職場も自由が丘だったし。でもOLD JOE(かつて彼がやっていたバンド。2015年夏に解散)で下北沢や渋谷でライブやるようになった18とか19ぐらいの頃から『東京はいいや』って思い始めてて。東京にいると何もかもが慌ただしくて、このままだとものすごいスピードで老けていくんだろうな、と思ったんです」
中学生の頃は「なんにもないし早くこんな街を出たい」と思い、高校選びの際には「地元はもういいや」と、横浜の高校に進んだというYONCE。しかし結局しっくりきたのは、生まれ育った故郷の茅ヶ崎だったようだ。
「地元の友達は、仕事が嫌だとかそういうことではないんだけど、それぞれ明確に闘ってて。例えば、会社員やりながら競艇選手を目指していたり、あるいは、仕事帰りに逗子マリーナに寄ってマリン・スポーツを楽しんでたり。『自分の時間こそが本当の人生だ』ってことを大切にしている。『お前らも実は同じことを思ってたんだ!』ってことに気付いてうれしくなりました」
音楽に関しても、「逆にこっちにいるとある程度引いた目で世の中を見れる気がする」と、茅ヶ崎に住み続けることの意味を語るYONCE。その思いはメンバー間でも共有されており、「バンドが大きくなって地元を離れることになっても、将来的にはまた地元に戻ってきたいって思いはあります」と、語っている。
◆『クイック・ジャパン』vol.124(2016年2月23日発売/太田出版)
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