2002年に「B BOY PARK MC BATTLE」で優勝し、その後「UMB」(ULTIMATE MC BATTLE)の礎を築いた漢が、昨年新たなバトル「KING OF KINGS」(以下「KOK」)を立ち上げた。彼は一体、どんな戦いを描こうとしているのか? 現在発売中の『クイック・ジャパン』vol.126で、漢はこう語っている。
「僕から見て時代と合った内容で、よその大会とは違う色のMCバトルをしたかった。去年はキレイに実現しなかったけれど、具体的には数あるMCバトル大会のチャンピオンを集めて、KOKで本当のチャンピオンを決める、ということです。鎖GROUP(編集部注:漢が代表を務めるレーベル)を立ち上げたのも、この大会ありきの話でしたね」
KOKは、各地の予選通過者のほか、『高校生RAP選手権』や戦極MC BATTLEなど、他のMCバトルの優勝者も招待され、昨年は総勢16名のラッパーがチャンピオンを目指して戦った。KOKの大きな特徴が、「審査員がテンポイント制で評価を公表する」というシステムだが、これについて漢はこう説明する。
「バトルはどうしても会場の雰囲気の流れがあって、その雰囲気を作るのもMCのスキルではあるけれど、あとでDVD見ると『うーん、この判定どうだろう?』っていうのもある。審査員もあくまで観客だから、延長になるようジャッジしてしまう集団心理は一緒。そうやってムダに延長させると、次のバトルに影響していい試合が減る。だから今の時代、観客に全ての審査を託すのは合っていないんじゃないか、と考えていて。
そこで観客の声は1点で、審査員は3人が各自1点ずつにしました。観客がどれだけ盛り上がろうが、審査員ふたりが別の判断を下したら、そこは玄人の判定だからしょうがない、とあきらめてもらう。その理由を数字で説明するのがテンポイント制で、審査してる人間はやりやすいみたいです」
期待される次の大会は、「今、各大会のオーガナイザーと密にコンタクトをとって」いる状態で、来年1月あたりには本選が実現できそうだとのこと。漢は、「本選が正月恒例のお楽しみになれば」と、意気込みを語っている。
◆『クイック・ジャパン』vol.126(2016年6月23日発売/太田出版)
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