長いだけではないゾウの鼻 嗅覚は犬の2倍敏感で感情表現も可能

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動物園で人気のゾウといえば、大きな体もさることながら、最大の特徴はなが~い鼻。あれだけの長さとインパクトを誇るだけに、人間の鼻以上にいろいろなことができるようです。

例えば感情の表現。ゾウの飼育員の方々には有名ですが、牙の上に休ませているときはリラックスしているとき、高く上げているときは警戒したり、興味を示しているとき、ピンと伸ばしているときは緊張しているときというように、ゾウの鼻を観察していれば、ゾウの気持ちがわかります。

また、ゾウの鼻先にある毛の神経は脳とつながっており、人間の指先の10倍以上も敏感。しかもアジアゾウの鼻先には上側に小さな突起があり、これを使って小さなものをつかむことができます。ゾウたちを見ていると、鼻でエサをひょいとつかんで、器用に口まで運んでいることに気付きます。

さらに、鼻が敏感なために、ゾウは多くのことを“匂い”で記憶しています。ゾウの鼻の裏側には匂いを認識する嗅覚受容体の遺伝子が無数(一般的にヒトの5倍、犬の2倍もあります)にあり、遠く離れている相手が敵なのか仲間なのか、匂いで識別することができるのです。しかも、相手のゾウの感情の動きまでも匂いで読み取ることができるというから驚きです。

ゾウを見ていると、水中で呼吸したり、エサを口に運んだり、ほかのゾウとコミュニケーションをとったりしており、長い鼻は、ゾウが生きていくためにとても大切な役割を担っていることがよくわかります。

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。