年末年始は、テレビの前で過ごす時間が長くなる時期。新聞のテレビ欄を眺めると、3~4時間の特別番組がずらりと並ぶなか、ひとり我が道を行き、“平常運転”を続けるのがEテレです。しかしそんなEテレの数字に注目してみると、Eテレの本気が見えてきます。
【150秒】
幼児番組の金字塔を築いたのは“150秒”のコーナー作りでした。ごぞんじ『おかあさんといっしょ』は1970年代、ターゲットを4・5歳児から2歳児に移行することに。大学研究者と一緒に番組を開発する中で、2歳時の集中力が続くのは2分30秒までと判明。そこで短いコーナーを柔軟に入れ替える斬新な構成を採用したのです。その挑戦は現在も受け継がれ、24分間で10以上のコーナーを展開。子どもたちを夢中にさせています。
【140人】
大人の素顔を追うドキュメントがあるならば、子どもの本音だって知りたい! 『カラフル!』は、子どもたちが日々の喜びや悩み、葛藤を独白する15分番組。登場した子どもたちの数は140人超えます。実はこの番組は、世界の放送局との国際共同制作によるもの。「ピエロがコワイ」「赤毛あつまれ」「街から女の子がきた」など、現地の子どものリアルな気持ちに迫ることができるのは、世界の放送局と番組を作る挑戦あってことなのです。
【24時間】
Eテレが2000年から2006年の間、第2・4・5日曜日を覗いて24時間放送をやっていたことをご存知でしょうか? Eテレが深夜にいったいどんな番組を……と思ってしまいますが、『小学校3・4年生~算数・国語』や『小学校社会科・総合』といった学校放送番組を再放送していました。その理由は、学校の先生が深夜に録画して後日授業で使えるようにするため。教育を何より大事にするEテレだからこそ実現した、他局には真似できない先生想いのチャレンジだったのです。
◆ケトル VOL.34(2016年12月14日発売)
【関連リンク】
・ケトル VOL.34
【関連リンク】
・タモリ ラジオの深夜番組で2時間「ソバヤ」絶叫の過去
・北海道で人気の『ブギウギ専務』 無名バンドマンがMCに採用された理由
・おやすみソングで思わずウトウト リスナーを眠りに誘うラジオ番組
・20年目の『ダウンタウンDX』 番組開始時はゲストが1人だった