コーエー版『三國志』 武将のパラメータはどうやって設定している?

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『三国志』の世界観を追体験できると、多くの人が愛してやまない歴史ゲーム『三國志』。その特徴のひとつが、あらゆる種類の人物像が登場する点です。コーエー版『三國志』では、その魅力を活かすべく、各武将の能力を「知力」「武力」「統率」などのジャンルに分け、100点満点で数値化したパラメータが存在します。

たとえば『三國志13』での劉備の設定は、「統率80、武力77、知力78、政治80」といった具合です。でも、武将の各能力を比較するのは難しいもの。いったいどのように数値を設定するのでしょうか。長年、同シリーズの製作に関わってきた北見健さんはこう言います。

「『三国志演義』の描写を読み解き、それをもとに能力を設定しています。ただ、あくまでもパラメータなので、数値を付ける上での基準となる存在が必要になってきます。そこで、今シリーズの基準となるのが、『三国志』のファンの間で『強い』『賢い』との絶対的な共通認識がある呂布と孔明です」

たしかに横山光輝の『三国志』でも、孔明の頭の良さはもちろん、董卓に仕えた武将・呂布が反・董卓連合と戦った際、その強さから「鬼神」と恐れられ、張飛や関羽、劉備の3人で戦っても呂布には勝てなかったシーンも有名です。

「孔明の知力と呂布の武力を最強の100として設定し、作品内に出てくる戦闘や策略の描写を何度も読み解きながら、各武将の能力を数値化するようにしています」(北見さん)

『三國志』の能力値は、『三国志』を根気よく読み込んだ末の努力と愛の結晶なのでした。

◆ケトル VOL.37(2017年6月14日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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