眠れない夜はインターネットの話でも
第1回

デジタルネイティブ女子はネットとどう接しているのか? 10・20・30代が語るSNS観

学び
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塩谷舞・石井リナ・大久保楓による鼎談がスタート。デジタルネイティブと呼ばれる彼女たちは、どんなふうにインターネットと接しているのか。話題はまず、オフライン/オンラインの区別についてからです。

ミレニアルズにとって「仲良し」の尺度

舞:この3人で連載が始まりますけど……楓ちゃんと知り合ったのはSNSだよね。10代のインフルエンサーの中では発言がビジネス寄りで、気になってフォローしてて。

楓:その後、相互フォローになってご飯に連れていってもらいました。

舞:リナちゃんとは一回イベントで会って、それからやっぱりSNSで緩く繋がってたって感じだよね。

リナ:Twitterでいつも見てるんですごい会ってるような気がしちゃう。オフラインとオンラインの区別がつかなくなってきた、という感じです。

舞:そう! すっかり、仲が良いつもりになってる(笑)。私も最近、結婚パーティーをして、「楓ちゃんとはまだ2回くらいしか会ってへんけど仲良いから来て♡」みたいになりました。昔だと、例えば「飲み会5回」くらいが仲が良い人の基準だったかなぁと思うんだけど。

楓:それで結婚パーティーに呼ばれて「えっ?」とかも全然思わないです。「行きまーす」って感じ。

舞:知り合いは少なかったかもしれないけど……楽しんでもらえたらよかった!

リナ:一言でインフルエンサーって言っても、種類も多いですからね。

舞:分野が違うと、お互い全然知らないんですよ!

リナ:なかでもInstagramは、FacebookやTwitterと違ってフィードに流れてくる出来事がフォローに準じてるので。そもそも拡散性がないとも言えます。世界に山がいくつあっても、「自分がいる山しか見えにくい」って感じです。

同じことをしてもPCは「イケて」ない!

舞:楓ちゃん世代だと、インターネットに詳しいことが「恥ずかしい」って感覚がないじゃないですか?

楓:たしかに…… 中1からiPhoneを持っててLINEもやってましたし。

舞:いいなぁ。

楓:それから、画像が編集できるのは当たり前で、動画が編集できるとワンランク上なんですよ。だからイケてる男子や女子はみんな、動画編集ができて。お誕生日とか大変!

舞:それが「イケてる」って認識になるのがすごい! いい時代! 私も10年後に生まれてたら、なんかこう、ジメーっとしてなかった、という気がする(笑)。

リナ:別に今も、ジメッとはしてないと思いますよ(笑)。

舞:私はパソコン大好きで、小学校の頃からブラインドタッチは完璧だったけど、それがバレると、「陰キャラ」だっていじめられちゃう……。みんなが携帯を持ち始めた中学時代に、待受画面を作ってあげることでちょっと市民権を得るんですけど、結局、スクールカースト上位の下請けですよね(笑)。「待受画面作れるからイケてる」とはならへんかった……。

楓:でも、今は動画編集も全部アプリでやっちゃうから、iPhoneを使える人はカッコイイんだけど、同じことをパソコンでやってると、「オタクじゃん……」みたいには(笑)。

リナ:「本気!?」みたいな。

舞:厳しい……(涙)。でもYouTuberってパソコンで編集する人、多くない?

楓:大学生だとそうですね。私がYouTuberやってたころも、「Macを使ってスタバで編集」みたいなのがカッコイイってカルチャーがありました。でも私たち世代の高校生YouTuberは、ほとんどiPhone。それを知ったYouTuber事務所が「新しい時代が来た!」って感じになってましたね。

インスタのストーリーは消えるから良い

リナ:Twitterも、アップしたものが1日くらいで消えたら楽なのにな、とか思うんですよ。

舞:私は逆に、3000年後まで残ってほしいのに〜(笑)。私たちが芸術家の没後にその人の日記を見るみたいにTwitterが見られるなんて、すごくないですか?

リナ:(笑)。でも消えるから気楽にやってる若い子たちもいて。私も、Instagramの出初めの時はそうやって紹介していました。でも次第に、Instagramは「お洒落じゃなきゃダメ」とか、Twitterは「面白くなきゃダメ」とか、カルチャーができてくるんですよね。それが嫌で、24時間で投稿が消える「ストーリー」へ流れが移っていってる感じなので。もちろん、次に新しいものができたらまた動くかもしれませんよね。

舞:もっと気楽な方向に行くのか、逆に反動で質の高い方向に行くのか、どっちなんだろう……。二極化しそうだなぁ。

次に来るのは「音メディア」?

リナ:あと、今、気になってるのは音メディア。好きな人のVoicyやネットラジオを3周とか4周とかしてます。

舞:音メディアって、情報感度の高いビジネスマンとかも聞いてくれるんですよね。

リナ:動画だと拘束されるけど、音メディアはお化粧しながらとか歩きながらとか、本当にいい塩梅だからかも。それに声を聞いてると、親近感というか……好意を抱きやすいんです。

舞:わかる! 声を聞いて嫌いになるってことは少ないよね。私は、声メディアも好きだけど、Instagram Liveで25時くらいに、寝る前のモデルの子とかが寂しくなっちゃって一人配信してる姿を見るのが好き(笑)。

楓・リナ:(笑)。

舞:楓ちゃん世代はどう?

楓:うーん……10代は聞く系には追いついていないかな。まだ動画を観たい、みたいな。でも「ながらYouTube」は当たり前で、人気のある動画でも、聞いたけど画面は観ていないっていうのはいっぱいある。

舞:昔の「テレビつけっぱなしで音だけ聞いてる」みたいな感じか。

楓:私はお化粧をしてる時とかはもうiPhoneを伏せちゃいますね、YouTube流しながら。

舞:それはきっとWi-Fi環境が充実したことも大きい(笑)!

楓:寝る時にも、YouTubeで音フェチ動画を流しっぱなしにしていること多いです。小声で話してくれる動画とか!

リナ:なるほど。YouTubeが「音メディア」も兼ねてるってことなんだね!

【プロフィール】
大久保 楓/元YouTuber。現アパレルブランドLOLIPOPKNIFEクリエイティブディレクター。1999年生まれ。SNS総フォロワー数10万人を超える。18歳での起業も話題に。

石井リナ/BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント。1990年生まれ。『Instagramマーケティング』共著。現在は起業し、動画メディアBLASTの運営を行う。

塩谷 舞/milieu編集長。1988年生まれ。東京とニューヨークの二拠点生活中。大学在学中に『SHAKEART!』創刊。Webディレクター・PRを経てフリーランス。

【関連リンク】
『ケトル VOL.43』

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

筆者について

塩谷舞 × 石井リナ × 大久保楓

しおたに・まい。milieu編集長。1988年生まれ。東京とニューヨークの二拠点生活中。大学在学中に『SHAKEART!』創刊。Webディレクター・PRを経てフリーランス。

塩谷舞 × 石井リナ × 大久保楓

いしい・りな。BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント。1990年生まれ。『Instagramマーケティング』共著。現在は起業し、動画メディアBLASTの運営を行う。

塩谷舞 × 石井リナ × 大久保楓

おおくぼ・かえで。元YouTuber。現アパレルブランドLOLIPOPKNIFEクリエイティブディレクター。1999年生まれ。SNS総フォロワー数10万人を超える。18歳での起業も話題に。

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