〈今、世界中の起業家やクリエイターたちがベルリンをめざす。歴史に翻弄され荒廃した街それ自体が、世界に類を見ないデジタル経済を生み出す原動力になった。今、ベルリンでスタートアップをめざす起業家は、かつてのベルリン・ヒッピーたちとは世代も価値観も異なる。しかし、ベルリンに魅せられ世界からやってくる彼らの思いには、第一世代のベルリン・ヒッピーたちの夢と重なるところがある〉
(『ベルリン・都市・未来』 まえがきより)
メディア美学者の武邑光裕が、世界で一番熱いイノベイティブシティ・ベルリンを読み解く『ベルリン・都市・未来』を、7月12日に刊行する。現在ベルリン在住の武邑は、日本大学芸術学部、京都造形芸術大学、東京大学大学院、札幌市立大学で教授職を歴任。80年代よりメディア論を講じ、インターネットの黎明期から現代のソーシャルメディアからAIにいたるまで、デジタル社会環境を研究してきた。
同書は、いまスタートアップが創発され、テクノ・ミュージックと経済が結びつく、世界で一番熱いイノベイティブシティを読み解くものだ。ベルリンの壁崩壊から30年、テクノ・ミュージックによって断絶を乗り越え文化多様性が社会をドライブさせるこの街には、硬直したテックイノベーションを更新する秘密の「レシピ」が隠されている。
(いずれの写真も『ベルリン・都市・未来』より)
「シリコンバレーの時代は終わった──。」
シリコンヴァレーからベルリンへの迂回路は、現代の対抗文化やヒッピー文化の精神が向かう必然の経路である。だから、かつてのベルリン・ヒッピーたちも、世界からやってくる新世代のネオ・ヒッピーを暖かく向かい入れる。利己的な欲望に満ちた野心家であろうと、エシカルなソーシャルビジネスをめざす若者であろうと、ベルリンには彼らの夢をさえぎる壁がない。あるならその壁を壊せばいい。ネオ・ヒッピーこそ、ベルリンの、そして世界経済の新たなアクターである(同書 まえがきより)
スタートアップ・エコシステム、ネオヒッピー・カルチャー、ポスト・データエコノミー……。新たな都市のスタンダードを生む街・ベルリンから何を学ぶべきなのか、武邑が解説する。
『ベルリン・都市・未来』は、2018年7月12日(水)発売。3000円+税。
【関連リンク】
・ベルリン・都市・未来-太田出版
【関連記事】
・「YOUは何しに日本へ?」 スタッフも感極まって号泣した神回
・「ご飯の友」はよく話題になるが、最強の「パンの友」は?
・スター伝説「ジャッキー・チェンは8か国語を話せる」は本当か
・音楽家としてのタモリ 発売日に即発禁のアルバム作った過去