注目女優・南沙良 正統派美少女の頭の中は空想だらけ?

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女優デビュー作の『幼な子われらに生まれ』(2017年)でいきなりメインキャストに抜擢され、押見修造の自伝的漫画を映画化した『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では早くもW主演の一人を務めた南沙良。順調にステップアップする彼女だが、もともと女優志望だったのか? 2018年6月15日発売の『クイック・ジャパン』vol.138で、南はこう語っている。

「女優さんというよりも、絵本の中の登場人物になりたくて。『ぐりとぐら』が好きで、あの広い野原を走り回ってみたいと思ったり、本の中に出てくるカステラを母と一緒に作ってました。当時は動物になりたかったので、その気持ちも強かったのかな。犬から見た視界を知りたくて調べたり、空が飛びたくてインコになりたい時期もあって、実際に飼ってみたりしました」

正統的なルックスとは裏腹に、エキセントリックさの片鱗を見せる南。2002年生まれの16歳にして、「最近は大場久美子さんが好きです」「焼肉とかボウリングも1人で行きます」と語る彼女だが、女優的なものへの憧れはやはりあったようだ。

「自分じゃない人になりたいという思いが強くて。自分にはない考え方や見た目に興味があったというか。小学生のときは友達になってみたかったんですけど、私とは完全に逆のタイプの子で、活発でみんなともよく喋って。その子のショートヘアに憧れて髪を短くしたり、席に座ってみたりしてましたね。私にないものを持っている人、その人から見た世界はどうなっているのかなということに、すごく心が惹かれるんです」

そんな夢は叶い、女優として“自分じゃない人”になることが仕事になったわけだが、探究心や行動力は留まることを知らず、自分の中に浮かんだストーリーのワンシーンを絵に描いたり、さらにはそのシーンに登場する洋服まで作ってしまうという。先日、作った洋服は、こんな作品だったそうだ。

「ある女の子のところに巨大な鰹がプレゼントで送られてくるんですけど、調理するためにさばこうとしてもおろしきれなくて、大きいまま無理やりお弁当箱に入れようとするんです。でもやっぱりはみ出してしまって、その鰹が地面に飛び散って、拾おうとした自分も滑って転んで……という瞬間の、汚れが着いた洋服をイメージして作ったりしました。完成した洋服は着ません。誰かに着せてみたいんですけど、誰もいないので、もっぱら鑑賞用です(笑)」

語るエピソードの1つ1つがとにかく独創的な南。『nicola』のモデルオーディションでグランプリを受賞して専属モデルとしてデビューし、女優としても注目を浴び始めている彼女だが、近い将来、その“南ワールド”がバラエティ番組などで目に留まる機会があるかもしれない。

◆『クイック・ジャパン』vol.138(2018年6月15日発売/太田出版)

【関連リンク】
『クイック・ジャパン』vol.138
映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』公式サイト
映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』オフィシャルブック

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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