吉岡里帆 「未知の世界へと飛び込んでいけるのが女優の醍醐味」

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10月に公開された三木聡監督の5年ぶりの新作『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』で、吉岡里帆がヒロインを務めた。一昨年から去年にかけて一気にブレイクし、ドラマ、CM、映画などに引っ張りだこの吉岡だが、『音タコ』の現場はどのような雰囲気だったのか? 2018年10月25日発売の『クイック・ジャパン』vol.140で、吉岡はこう語っている。

「新たな挑戦の場でしたね。自信が持てず、歌声が極端に小さいふうかの成長物語が軸になっているのですが、歌を通じて心の推移も表現しなければならなかったので、ハードルが高かったです。歌とギターの練習は初めてやりました。その他の課題もとても大変だったけれど、でも“難しい”が“面白い”に変わる瞬間があって、やりがいに満ちていました」

吉岡が演じた「明日葉ふうか」は、“なにごとにも逃げ腰なストリートミュージシャン”。彼女自身は、人前で声が出なくなった経験はあるのだろうか?

「私はもとからすごい緊張しいで、たとえば小学生のとき、学芸会でコックさんの役をやりたかったんですけど、なにも言えないまま周囲に流され、結局ナレーションを務めるような、そんな奥手な子供だったんです。高校時代に演劇と出会ってからですね、消極的な性格がだんだんと変わったのは。映画の中のふうかは失敗を恐れ、やらない理由ばかりを探し集めて、行動に移さないダメな奴なのですが、私もかつてはそうでした。

(中略)今は身をもって『黙っていたら相手にはなにも伝わらない』ということを理解していますし、さまざまな役柄ができる喜びを噛み締めながら、未知の世界へと飛び込んでいけるのがこの仕事の醍醐味だと思っています」

そんな彼女は、2019年には東野圭吾原作の『パラレルワールド・ラブストーリー』の公開が控えているが、

「夜の東京タワーを眺めるたびに上京してきたころの初心に立ち返るんですね。がむしゃらに前のめりだった気持ちに。こういうロマンを忘れていないうちは、まだまだ大丈夫かなって。果敢にいろいろと、挑んでいけそうな気がしています」

と語っており、まだまだ挑戦する意欲は失っていないよう。今や若手でも屈指の人気女優となった彼女だが、さらなる成長が期待できそうだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.140(2018年10月25日発売/太田出版)

【関連リンク】
クイック・ジャパンvol.140

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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