極楽とんぼの山本圭壱は現在、『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』『戦闘車』(ともにアマゾンプライム・ビデオ)、『極楽とんぼKAKERUTV』(AbemaTV)など、配信バラエティを中心に活動している。かつてゴールデンタイムのスターだった彼の目に、今のお笑い業界の状況はどう映るのか? 2018年12月21日発売の『クイック・ジャパン』vol.141で、山本はこう語っている。
「たしかに私がいない10年の間に、いろんなことが変わったと思います。以前ほどTVが絶対的な存在ではなくなっていて、かといって配信番組が安泰というわけでもない。M-1で優勝したって将来の保証はないし、今の若手は何を目標にするんだろうってたまに思います。
そうなると、やっぱり舞台なのかな。お笑いは舞台からはじまって、一周してまた舞台に戻ってくる気がする。わかりやすく言えば、ちゃんとお金を払って、この人の舞台を観にいきたいというところに落ち着くんじゃないかと。芸人さんは」
第一線からは一歩引いた位置にいるからか、最新の状況に対して非常に冷静な分析を披露する山本。自身がなかなか地上波テレビに出られない状況についても、客観的にこう分析している。
「これは私自身の問題が大きいですけど、たとえば地上波のスタッフさんがキャスティングを提案してくれても、最終段階で落ちると思うんですよ。ネットで叩かれる可能性だって無くはないし、今はできればそういう不安要素を除きたい時代だと思う。かえって地方局のほうが男気あって、もうそんなの関係なしに使いますよって言ってくれるところも多い。地方での展開はこれから芸人のひとつの選択肢になると思います。
あとカジサック。キンコンの梶原が今YouTuber カジサックとして頑張ってるじゃないですか。これもなかなか面白い話だなとは思ってて。あり方として梶原はちゃんとしてるなって思うんですよ。YouTube みたいな新しいものを毛嫌いするんじゃなく、勉強して取り入れようとしてる」
そんな山本は、『ドキュメンタル』のシーズン3で優勝して賞金1000万円をかっさらい、ルミネtheよしもとではココリコ遠藤、ワッキー、庄司智春らと『極楽とんぼ山本ユニットコント』を披露するなど、精力的に活動を続けている。山本自身はどんな場所で活躍していきたいのか?
「私はもう選ぶ立場でもないですし、依頼に対して1個ずつ全力でってことしか考えてないです。地上波だからとか配信番組だからとか、まったく関係なくやってます。『おはようからおやすみまでご自由にお使いください』っていうのが私のキャッチフレーズなので(笑)。急にカメラ回されてもそっから対応する、そういうことかなとは思ってますね」
現在も地上波テレビの最前線で活躍する相方・加藤浩次をはじめ、山本の実力は誰もが認めるところ。配信バラエティや地方局も十分魅力的だが、そろそろ地上波への“本格復帰”が話題になっても不思議ではなさそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.141(2018年12月21日発売/太田出版)
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