蒼井翔太 自分の声が嫌いだった少年が「歌い続けたいと思った」瞬間

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声優、歌手、舞台俳優など、幅広いジャンルで活躍する蒼井翔太。今年1月から2月にかけて全国5都市を回るツアーを行い、10月2日には11枚目のシングル『Harmony』が発売される彼だが、元々は歌うのが大嫌いだったという。何がきっかけで、歌に興味を持つようになったのか。2019年9月25日発売の『CONTINUE Vol.61』で、蒼井はこう語っている。

「音楽を聴くことは好きでしたけど、自分の声を自分の耳で、自分の発してる音を聴くのが嫌だったので歌わなかったんですよ。そんなとき当時、唯一仲良くしてくれてた子がカラオケに連れて行ってくれたんです。

僕、その頃からすごいけちで(笑)、何もしないでカラオケに行っても部屋代は払わなきゃいけないじゃないですか? お母さんからもらった貴重なお小遣いだから、無駄な払いはしたくないっていう。だから、当時聴いてて大好きだった倖田來未さんの『So into You』って曲を歌ったら、歌が上手いとかそういうのは置いといて『いい声してるね』って言ってくれたんです。そのときに僕、衝撃で、人生1回目の雷が響いたんですよ。『えっ、僕のこんな声だよ?』っていう感じですよね」

それをきっかけにカラオケが好きになって、カラオケに通うことになった蒼井。度胸試しにカラオケ大会のオーディションにエントリーしたことで、人生が急展開し始める。オーディションには合格したものの、そのカラオケ大会は豪雨で中止に。しかしスタッフから連絡があったのだ。

「『今回は残念でしたね』って。それで『本当にもったいないと思うので、とあるイベントに参加していただきたいんです』って言われて、会場に向かったのが『ティーンズ・ミュージック・フェスティバル』。ヤマハさんが主催していらした、十代しか出れないバンドマンの祭典で。

『ティーンズ・ミュージック・フェスティバル』は県大会、地方大会、そして全国大会って勝ち上がっていくフェスティバルだったんですけど、周りがバンドマンの中、僕だけがカラオケCDを持って行って。そこから県大会、地方大会に行くことになり、地方大会でグランプリを獲らせていただいて、全国大会まで行くことになったんです」

バンドマンの中にひとり、カラオケの参加者が交じるアウェイな場だったが、歌い終わると大きな拍手をもらい、「そのときに2回目の雷が鳴ったんですよ。そのときに僕、歌をステージで歌い続けたいって思ったんです。そこが僕の、歌手への第一歩でした」とのこと。彼の声を褒めた友人、連絡をくれたカラオケ大会のスタッフなど、多くの偶然が彼をここまで導いたが、今の活躍ぶりを見れば、世に出るべくして出る存在だったのは間違いないようだ。

◆『CONTINUE Vol.61』(2019年9月25日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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