太田出版主催の「太田エロティック・マンガ賞」の2019年下半期の選考結果が発表され、大賞の「エロティクス賞」には『苦楽外』(zngo)が選ばれた。
太田エロティック・マンガ賞は2000年にスタート。同賞をきっかけにして、これまでに中村明日美子、松本藍、シモダアサミなど多くの人気漫画家がデビューしており、審査委員長は『レッド』『分校の人たち』の山本直樹が務めている。山本の講評が発表されるのも大きな特徴だ。
エロティクス賞の『苦楽外』について山本は、「ずば抜けて自分の世界が出来ていました」「絵もうまく幻想文学的な味わいも素晴らしくて、文句のつけようがない」(講評より一部抜粋)と、手放しで称賛。優秀賞には『ランデブー』(上田たんぽぽ)、奨励賞には『睡蓮華』(いからしひなこ)、『ゲスの極み家族』(熊と翼)、『美大予備校生の苦悩』(海岸亭)の3作が選ばれた。
山本は総評で、「今回は全体的にレベルが高く、大賞と優秀賞をどれにしようか迷ったのは初めてですし、本当なら奨励賞を20本出したいくらいだったし、講評した以外にも光る作品は多々ありました」と、語っており、
「大賞を獲得したzngoさんと優秀賞の上田さんの評価には、実際あまり差がありませんでした。奨励賞の3名も含めてみなさん個性を十分持っている人たちなので、細かくどうこう言うことはありません。とにかく描き続けてください。どんどん行っちゃってください」
と、エールを送っている。サイトでは、惜しくも入賞とならなかった最終選考作品への講評が発表されているのも応募者にとっては大きな魅力。エロティシズムをベースに、独創的、刺激的、官能的なマンガ作品を募集する太田エロティック・マンガ賞は今後も要注目だ。
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