なぜ「自発的に」苦しめられるのか? 『「民意」と政治的態度のつくられ方』刊行

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民意や政治的態度はどのように形成され、なぜ苦しい状況に従っていくのか? この矛盾した原理を解き明かし、新たな方向性を模索する『「民意」と政治的態度のつくられ方』(太田出版)が、4月24日に発売される。

〈「民意」に支えられてこそ、「支配」は揺るぎないものとなる。多くの人々が自分たちを苦しめているはずの諸政策をそのまま引き受けてしまうのはなぜなのか。

学校に限らず社会の隅々にまで張り巡らされた競争的環境によって明らかに苦しめられているにもかかわらず、その競争的価値の枠組み自体を問い直すことよりも、その価値を前提としてその中で成功しようとするのはなぜなのか。

いわば「自発的に」苦しい状況に従っていく動きを、わたしたちはどのようなものとして捉えればよいのか――〉

民主主義、政治、経済を劣化させるような政策が次々と繰り出される中、それでも政権への支持率は高く、多くの人々が自分たちを苦しめているはずの諸政策をそのまま引き受けてしまっている。こういった現象はなぜ起きるのか? 同書は2017年4月から2019年3月まで組織された「『民意』研究委員会」による共同研究の成果をまとめたものだ。

著者は工藤宏司、桜井智恵子、広瀬義徳、柳沢文昭、水岡俊一、堅田香緒里の6名。思想史、教育学、フランス文学、社会学、社会福祉学など、学問領域が多様な6人が、

「自律的な『主体化』という政治的態度 ―学校はいかに関わってきたか―」
「学校の『自由』を開く ―教育の「政治的中立性」確保の誤解を解いて―」
「政治的態度の剥奪」
「多数決は『民意』を反映するかという議論と学校」
「沖縄『沈黙の民意』を生み出すもの」
「〈声〉の政治」

という6章で、多くの人々が“自発的に苦しめられる”状況の矛盾の原理を解き明かす。

『「民意」と政治的態度のつくられ方』は2020年4月24日(金)発売。定価1700円+税。

【関連リンク】
「民意」と政治的態度のつくられ方-太田出版

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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