ラジオ日本『真夜中のハーリー&レイス』 深夜の異種格闘技戦の魅力

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今年4月で放送10周年を迎えたラジオ日本の『真夜中のハーリー&レイス』は、プロレス実況の名手・清野茂樹が様々なジャンルのゲストを招き、“トークの異種格闘技戦”を展開する番組。プロレスラーはもとより、映画監督、俳優、ミュージシャン、アイドル、YouTuberなど、ゲストの振り幅は非常に大きいが、いったいなぜなのか? 2020年4月25日発売の『クイック・ジャパン』vol.149で、清野はこのように語っている。

「今までに560人以上のゲストをお迎えしているんですよ。放送開始当初から『プロレスファン以外にも届く番組にしよう』と決めていたんです。以前、ポレポレ東中野の支配人の大槻貴宏さんがゲストで来たときに『うちはドキュメンタリーのイメージを持たれがちだけど、SFやアニメも上映しているんです。だから長く続いているんですよ』とおっしゃっていて。この番組もここまで長く続けることができたのは、そういう理由もあるかもしれません」

ポレポレ東中野は、ドキュメンタリー作品を中心に、見過ごされがちな良質な作品に光を当ててきたミニシアター。番組からは“ポレポレイズム”が感じられるが、生放送ならではの臨場感も番組の聞きどころで、そこにも強いこだわりがあるという。

「もともと番組がはじまるときに『生放送じゃないとやりません』って突っ張ってたんです(笑)。ゲストの方と深夜に1対1で向き合うと、普段とは違う濃密な関係ができる気がするんですよね。わざわざ来てくれるので僕も歓迎したいですし、ゲストも深夜の生放送のテンションで来てくれるので、お互いに波長が合うというか」

リスナーの想像力を掻き立てるため、ゲストの様子を実況で伝えたりと、プロレスのような演出にもこだわる清野。彼の感覚では、プロレス実況とラジオにさして違いはないようだ。

「プロレスの実況もいろいろとしゃべりますけど、いちばんの役割は試合を盛り上げること。そのためにプロレスラーの情報を事前に調べたり、解説者の話を引き出したりして、視聴者に試合の魅力を伝えるんです。結局のところ、ラジオも実況も『この人を好きになってもらいたい』という気持ちがいちばんなんですよね」

清野は「あんまりブレイクすると飽きられちゃうので、地道に続けていく」と語っているが、注目度は日に日に増しており、一気に弾けるのも時間の問題。プロレスファンならずとも、熱い“声の格闘技”は必聴だ。

◆『クイック・ジャパン』vol.149(2020年4月25日発売/太田出版)

【関連リンク】
『Quick Japan』vol.149-太田出版

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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