1992年4月13日に放映がスタートし、現在も続くテレビアニメ『クレヨンしんちゃん』。その28年に及ぶ歴史の中で、アニメから人気となったキャラクターもありました。例えば、しんのすけが夢中になっている特撮番組のヒーロー「アクション仮面」もその1つです。
原作では1コマ程度しか登場しないようなキャラクターでしたが、アニメではこれを番組内番組として発展させ、『しんちゃん』の中にヒーローものの要素を取り入れることに成功しました。子供たちからも人気となり、劇場版第1作の『アクション仮面VSハイグレ魔王』では、タイトルにもあるように作品のキーパーソンとして扱われています。
また、原作ではしんのすけの玩具として登場していた「カンタム・ロボ」も、アニメではキャラクターの設定を膨らませた番組内番組「超電導カンタム・ロボ」として放映されました。エピソードが始まった瞬間にオリジナルの主題歌とオープニングが流れるほどの力の入れようで、こちらも人気を博しました。さらに2014年の映画『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』では映画内映画にまで進化を遂げています。
同様にアクション仮面もシリーズにたびたび登場しており、ついに原作41巻では後継者の「アクション仮面ムスメ」まで登場。2013年から双葉社の『月刊アクション』でスピンオフ作品の掲載も始まりました。このように原作にさりげなく描かれたキャラクターをアニメが膨らませ、その設定を再び原作が取り入れるという、コミックとアニメの幸福なキャッチボールで進化していったアクション仮面とカンタム・ロボ。今やシリーズになくてはならないキャラクターとなっています。
◆ケトルVOL.53(2020年4月15日発売)
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