武藤千春 情報を伝える側がコロナ騒動で感じた“新たな気付き”

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人と会えない、外に出られない状況が長く続いた時に、改めてその存在感が示されたのがラジオやテレビ。J-WAVEの番組『SHIBUYA DESIGN』でナビゲーターを務めながら、ファッションブランド「BLIXZY(ブライジー)」のクリエイティブ・ディレクションなど、マルチな活動を行う武藤千春さんは、緊急事態宣言発令中も番組を続けました。

スタジオでは、ナビゲーターの千原徹也さんとの間に透明なアクリル板を設置。番組内では教育や文化など、さまざまな業界で新型コロナウイルスへの対策や取り組みを考えている人を紹介しましたが、情報発信をするなかで新たな気づきも得たそうです。『ケトルVOL.54』で、このように語っています。

「自分はどうしても、自分の身の回りにいる人たちだけを見て『世の中はこういうものだ』と判断しちゃっていた。その上で、ラジオで発信することは自分にとっても視野を広げるのにいいツールだと思いました。

例えば自分が『これは有名だろう』と思っている情報があったとしても、実は自分の生活範囲の一歩外に出れば、案外知られていないことだってある。自分の身の回りに存在するギャップを知ることは大事だなと。そういう意味でも、ラジオを通して出会ったことのない人とつながることは、人々にとっても自分にとっても、ギャップを埋める大事な時間になっているんだと感じました」

コロナウイルスの影響で、より一層人々と関わる機会が減りつつあった頃、武藤さんの活動はオンラインでコミュニケーションをとる機会が自ずと増えていきました。4月30日に1日限定で開催されたのは、LINEのオープンチャット機能を使った企画『武藤さん、教えて!』。音楽、ファッション、キャリアという3テーマの質問・相談に対し、武藤さんがリアルタイムで回答。1時間という限られた時間の中で、多くのファンの声を聞く機会となりました。

「日本だけではなく、世界中が大変な時期。特にキャリアに関しては、みんなが悩んでいる印象を受けました。学生や、自分の活動範囲を広げたくても広げられない状況にある人の声は記憶に残っています。

特に地方に住む学生は、学校やバイト先でしかコミュニティを持てない。そういう人たちが孤独になりやすく、心の変化が大きいように感じましたね。Instagramのライブ配信などでもそういった不安の声が届いたからこそ、積極的に自分の考えを発信するようになった気がします」

また、武藤さんが発信する上で重要と考えたのは、ツールを使い分けながら、リアルな自分の気持ちを残すことでした。

「『いい感じ』の言葉だけを発信しちゃうと、『いい感じ』ではない生活を送っていると思ってる人たちとの間にギャップが生まれてしまう。ギャップを感じた人が、私のもとへ踏み込めなくなると思ったんです。サロンでリアルな素の部分を見せたり、SNSでは自分のイメージに近いものを投稿したり、noteでちゃんとした言葉を伝えたり。常に角度を変えて発信することで、いろいろな状況の人に自分の活動を伝えられると思いました」

コミュニケーションツールがどんどんと増え、コミュニケーションが容易になるからこそ、考えなくてはいけないことも増えていくということ。武藤さんは、「コロナ終束後はオンラインとオフラインを使い分けられると、自分にとってプラスな動きが生まれる」とも語っており、“コロナ後”というステージに進む際には、そのあたりが大事なポイントになりそうです。

◆ケトルVOL.54(2020年6月16日発売)

【関連リンク】
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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