2018年の『キングオブコント』で優勝し、一躍メジャーシーンに躍り出た「ハナコ」。最近ではテレビでの露出もグッと増えた彼らはYouTubeにも参戦し、これまで芸人がほとんど挑戦してこなかった映像コントに挑んでいる。精力的に新ネタを公開する彼らだが、映像コントとそれ以外ではネタ作りはどう違うのか? 2020年8月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.151で、ハナコの3人はこのように語っている。
岡部大 「お客さんがいる舞台用のコントは『ここを笑いが起こるポイントにしたいな』っていうのを意識して流れを作っていくんですけど、映像のほうは好き勝手に、好きな流れで作ってる気はします」
秋山寛貴 「だから台本が決まりきってないときもありますね。『絵しりとり』(#26)だと、それぞれの表情や僕が絵を描いている間のふたりの過ごし方はあの場で決まっていきました。メシ食いに行っちゃうとかも台本にはないし」
菊田竜大 「メシ食いに行ったし、普通にタバコ吸いに行ってたね」
『絵しりとり』では、秋山が大ボケするという普段はあまりないパターンも登場。リモートという制約も、あまり苦にはならなかったようだ。
秋山 「個人的には、序盤は『なんて自由がきかないんだ』と思ってたんですけど、どこからかリラックスしたのか吹っ切れたのか、意外とネタ出しに困らなくなりました」
岡部 「リモートアトラクション『カメトーク』(#28)のために、グリーンバックを買ったんですよね。それでやってみたら『逆になんでもできるじゃん』ってなりました。Zoom会議のパターンばっかり考える頭になっちゃってたところから、広がった感じはありますね」
ただ、動画の再生回数は1万回前後から100万回超まで、かなりばらつきがある。これについてはどう考えているのか?
秋山 「まだまだ手探りですね。最初に「ASMR(1)」(#09)が伸びて、『やっと当たった!』って意気揚々と続きを撮ったんですよ。そしたらあんまり伸びなくて。そういうのもすごい不思議です」
岡部 「ただ、やってて言うのもなんなんですけど、根本的には映像コントってYouTube には向いてなさそうな気がするんです。作品感が強くてしっかり観てもらう感じになるから」
試行錯誤はまだまだ続くが、「誰もやってないからやってる」(秋山)、「僕らが根づかせるぞ!くらいのつもり」(岡部)と、彼らは前向きに映像コントに取り組んでいる様子。ハナコが挑む「コント×映像効果」の化学反応は、お笑い界に新しい風を吹かせている。
◆『クイック・ジャパン』vol.151(2020年8月26日発売/太田出版)
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